■オタクは考えたモン勝ち

 しかし、時代は変わり、オタク分野もメインカルチャーになりオタク人口も増え、ネットでの情報交換も簡単に出来るようになった。テレビアニメも、原作があり物語の結末を知っている状態で見るのももちろん面白いが、オリジナル作品で毎週展開を予想するのも考察のしがいがあってまた面白い。

 誰もが情報を発信できるようになったからこそ、自分で考察してみてはどうかと“考察オタク”の私は思う。例えば月曜にアニメが放送されて、その日のうちに「犯人は〇〇だとおもう!〇〇だったから!」というツイートが1万リツイートされているのを目撃したら、どう感じるだろうか?

「え、確かに~!ぽい!」と思って、火曜から日曜まで何も考えずに過ごすパターン。そのツイートを少し不思議に感じて、その違和感を考える。監督のこれまでの作品傾向、作品が狙っている年齢層、今の流行などを調査。アニメを繰り返し見て、何か見落としたヒントはないか、より多くの意見をネット中を自分の手で探し、探求。今後の展開にどんな可能性があるのかパターンをより多く出す、そもそもバズった予測ツイートをした者はどんな存在なのか、作品の関係者のタレコミなのか、または作品をよく思わない同業者からのネタバレなのか、ただの作品ファンなのか、占いで結末を見た占い師からのツイートなのか、とウルトラCの可能性まで考えて、真実を問う。これはもう、熟考である!!!!! こうして火曜から日曜まで楽しく熟考するパターン。ワクワクすることが大好きな私は、間違いなく後者だ。

 疑り深い、考え方がひねくれている、しつこい。そう叩きつけられるたびに、「なんとでも言え、オタクはこういうモンだ」と思って生きてきた。考えたモン勝ち。私はそう思う。いろんな可能性を考えるから、ネガティブバッドエンドを想像するときもある。チョコ買ってもかばんの中で溶けてドロドロになるかも、チョコ買って食べたら甘すぎて歯に染みるかも、そういう日に限って歯医者が空いてないかも、とか。ただのマイナス思考に見えるかもしれないけど、同じくらいグッドエンドも想像できる。考えて、外れた考察は、自分の創作のヒントにしたらいい。どうでも良い考察だとしても、考えた時間は決して無駄じゃない。なにより、楽しい。自分で近づいていくのが。

 最近のオタクは考察しない、なんて言われたくないじゃない。

 作品にはたくさんのメッセージがあるから、考えてくれたら嬉しい。これは作者として。あとたぶん、作品を作るヤツなんてのは、疑り深くてひねくれた考え方のしつこいヤツばかりだよ。

「それはないんじゃない?」「考えすぎじゃない?」

 コレを言わないから私はオタクが大好きだ。逆に、周りにこれを言われても、笑われても、めげずに諦めずにオタクとして考えてみて。ワクワクがたくさん待ってると思う。

 私の出演作「ROBOTICS;NOTES」にも出てくる言葉。

「世界を救うのはヒーローじゃないーーーオタクだ。」

 私の好きな言葉のひとつ。世界中のオタクたちよ、GOOD LUCK!

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