「好きだよ…ワタシ」声に出したら少し泣けた、劇団雌猫『だから私はメイクする』コミック版の魅力を別冊なかむらりょうこが解説の画像
写真は別冊なかむらりょうこと、劇団雌猫「だから私はメイクする」

 こんにちは、少女漫画芸人の別冊なかむらりょうこです。原作・劇団雌猫さん、漫画・シバタヒカリ先生による『だから私はメイクする』の単行本が3月6日に発売されました。

 こちらの漫画は、平成元年生まれの女性4人組からなる今話題のユニット・劇団雌猫さんの柏書房『だから私はメイクする 悪友たちの美意識調査』のコミカライズです。

 原作は、劇団雌猫さんの大人気同人誌『悪友DX 美意識』がグレードアップして2018年に発売されたもの。メイクを「自分のため」に、「他人のため」に、「何かを探して」する、総勢15名の実在する女性たちの「美意識」が匿名エッセイとしてつづられています。

 ちなみにこちらは単なるメイク本ではありません。いろんな人の装いに隠された美学(オタク学)が描かれているのです……。

 今回のコミカライズは、祥伝社『FEEL YOUNG』にてオムニバス形式で全6話、2020年1月号にて完結。現在pixivコミックでは無料更新されるたびに総合ランキング1位を獲得中!

 読んだら自分の美意識を認識したくなる!自分をもっと知りたくなる! 漫画版『だから私はメイクする』の魅力を見ていきたいと思います!

■原作をもとにした6人の「メイクをする理由」

 今回のコミカライズでは、原作から6人の匿名女子が描かれています。エッセイ調から物語のある漫画に。原作にはなかった設定も加わり、より主人公たちを身近に感じることができます。

 そして6人の「メイクをする理由」もさまざま。

 高校生のころ「人並み」になれたらという軽い気持ちでメイクを始めたBL漫画腐女子。彼女は元来のハマり症からみるみる変わっていく自分の顔が面白く、大学生になる頃には、叶姉妹の「美香さん」というあだ名がつくほどに。スッピンを見せた彼氏に男性芸人みたいな顔だと言われても、理想のメイクができている喜びが勝り……。

 また、応援している5人アイドルグループのデザインを両手に収めたく、セルフ推しネイルを始めた女性漫画家や、どんなに忙しくても完璧に振る舞うバリキャリ女子な先輩の日常、美容部員として働きにいった先のドバイで知る自分を大切にする方法。

 そして、そんな彼女たちに適格なアドバイスをしてきたデパートで働くビューティーアドバイザーの熊谷さんがメイクをするようになった理由。

 境遇は違えど、彼女たちは皆、メイクをすることによって自分の今ある生活を豊かにしていきます。

 そしてそこに加えられている心に刺さるパワーワードたち。

 熊谷さんの言葉でこんな言葉があります。

「どんな理由でメイクするかに関わらず 自分のことを好きになれることが大事だと思います」

 なんでも元から出来る人は存在しない。そんなときに自分を駆り立ててくれるもの、それが「好き」の気持ちというのが読んでいて飛びっきり気持ちが良いのです!

  1. 1
  2. 2