1987年発売ファミコン用ソフト『さんまの名探偵』
1987年発売ファミコン用ソフト『さんまの名探偵』
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 ファミコン全盛の80年代には、芸能タレントの名前を冠したゲームがたくさん発売されました。中でもビートたけしの『たけしの挑戦状』(タイトー)は80万本以上を売り上げた大ヒットゲームですが、今から33年前にそれに匹敵する西の大御所のゲームが発売されています。

 そのタイトルは『さんまの名探偵』(ナムコ)。明石家さんまをモチーフにした推理アドベンチャーゲームで、1987年4月2日にナムコから発売されました。

 ゲームの冒頭、桂文珍師匠が何者かに殺害されるという衝撃的なシーンから始まります。プレイヤーは“関西一の名探偵”こと明石家さんまの助手となって、犯人を見つけるべく一緒に捜査に乗り出すという、思った以上にシリアスなストーリーでした。

 しかもタイトルに名前の出ている明石家さんま以外の吉本興業の所属タレントも実名で登場。オール阪神・巨人、今いくよ・くるよ、太平サブロー・シロー、西川のりおといった漫才師を始め、横山やすしさんや芸能界を引退した島田紳助さんまで出演している、まさに西のお笑い界の超豪華キャストです。それに文字だけの表現でしたが、ゲーム内に「たけちゃん」という名前も出てきており、当時『オレたちひょうきん族』(フジテレビ系)でさんまと共演していたビートたけしを連想させる場面もありました。

 このゲームでは『ポートピア連続殺人事件』(エニックス)などでおなじみのコマンド選択式を採用。「しらべる」「たたく」「とる」などのコマンドを駆使して事件の鍵を握る証拠品を集めたり、聞き込み捜査で情報を収集。このあたりは推理アドベンチャーゲームの基本をしっかり踏襲しています。

 しかし、中にはさんまの推理に期待をする「さんま」という謎のコマンドや、対象者を殴る「どつく」コマンドが存在するのは『さんまの名探偵』ならでは! しかも女性キャラクターの体を調べることができたり、ギャルのレオタードを取ってしまう場面などもあって、ファミコンで許される表現ギリギリを攻めていたのも特徴かもしれません。

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