■映画化にぴったり!? 大久保推薦の原作エピソード

――話をアニメ第1期に戻したいと思います(笑)。ファンとして、役者として、第1期『魔術士オーフェンはぐれ旅』の中で「ここは震えた!」というシーンがあれば教えてください。

小林 森久保さんは今回、キリランシェロ時代のオーフェンも演じられているんですが、それだけでなく、キリングドールのキリランシェロも演じていらっしゃるんですよね。役者として、「すげえな!」って思いました。それぞれオーフェンであってキリランシェロですが、別のキャラクターとも言えるじゃないですか。その3役を演じ分けるスキルは本当にすごいもので、震えましたね。

大久保 私は第3話、オーフェンとハーティアが戦うシーンですね。真っ暗な中での戦いになって、ああいう描写はアニメでしかできないことだと思いますし、すごくよかったなと思うシーンです。クリーオウ役の立場としては、アザリーとの会話ですね。アザリーはクリーオウがオーフェンの旅のお供だと分かっていて、一方のクリーオウはアザリーのことを誰だかまったく知らない。そういう状況で会話をして、話が噛み合っている2人が面白かったですね。アザリーはクリーオウにオーフェンを託している感が少しあって、でもそのへんをクリーオウ自身はなにも分かっていない。私も分かっていないお芝居なんですが、原作ファン、クリーオウ役としては、思うところがある深いシーンでした。

森久保 僕はどこだろう。難しいなあ……。アニメで描かれているシーンって、なくなくカットしたものを除いたベスト盤みたいなものなんですよね。その中から挙げるのは本当に難しいんですが、裕介くんが言ってくれたように、オーフェン対キリングドールは演じていていい汗かいたなっていうシーンですね。

――原作はキムラック編以降もまだまだエピソードが続いています。これからの『オーフェン』に期待することはなんでしょう?

小林 イベントをやりたいですね。先行上映会で舞台挨拶がありましたけど、僕は出ていないんです。だから、まだ『オーフェン』ファンの熱力を肌で感じたことがなく、大久保さんみたいな方がいっぱいいる場を一度体験してみたいです。

大久保 右から左まで“全員大久保”だよ(笑)。私は映画化をお願いしたいです。それもキムラック編以降のエピソードではなく、今回のアニメ化で収められなかった部分で作ってほしい。好きなエピソードがいっぱいあるんですよね。キリングドールが初めて出てくる「我が命にしたがえ機械(ドール)」とか、「我が胸で眠れ亡霊」とか。「亡霊」はオーフェンがただただ女性に巻き込まれるというだけのエピソードで。感動するお話だし、クリーオウも死んでしまうという一大事もあって、絶対映画化に向いていると思うんですよ。

小林 え!? クリーオウ、死んじゃうの?

大久保 死んじゃうんだけど、それでどうなるかは原作を読んでくださいね!

森久保 向こうにプロデューサーさんがいるよ。

大久保 向いてると思うんです! 海外にも向けて、いかがですかね!

――第2期『魔術士オーフェンはぐれ旅 キムラック編』のように、ファンの熱量で実現するといいですね。最後に森久保さんから。

森久保 再びオーフェンを演じる機会をいただけただけでありがたいし、これ以上を望むのは罰があたりそうなんですよね(笑)。今回のアニメ化で『オーフェン』を初めて知ったという方も多くいると思います。そういう方が新しいファンになって、往年のファンの方々と一緒に盛り上がっていただければ、その熱量は絶対に未来につながっていきます。僕は呼んでいただければいつでもはせ参じますので、これからもファンの皆さんと一緒に『オーフェン』の旅を続けられるとうれしいです。

  ※  ※  ※

 オーフェンの旅はまだまだ終わらない。4月8日には全71曲が収録されたアニメ『魔術士オーフェン はぐれ旅』サウンドトラックが発売。また、今回のインタビューに出演した森久保祥太郎、大久保瑠美、小林裕介の3名が第1期を振り返る座談会を収録した動画が同日18時に公開される。

 アフレコ後には中華に毎回行っていた話や、主人公・オーフェ ン役の森久保祥太郎がキリランシェロ VS オーファンのアフレコ裏話を披露。マジク役の小林裕介は第1期を振り「過去のキリランシェロの話が良かったな」と語り、クリーオウ役の大久保瑠美がマニアックな戦闘シーンを思い出しながら嬉しそうに話すなど、見どころたくさんの約30分の動画が公開。そちらもぜひチェックしたい。

(取材・文/鈴木康道)

(C)秋田禎信・草河遊也・TO ブックス/魔術士オーフェンはぐれ旅製作委員会

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