「発売から37年」ファミコン時代と変わらない…ゲーム機という“コミュニケーションツール”の存在の画像
ファミコン『ベースボール』(編集部撮影)

 ちょうど37年前の1983年7月15日に、任天堂から「ファミリーコンピュータ」が発売されました。本日でファミコンは37歳を迎えたということで、当時夢中になって遊んだ自分たちも歳を取るワケですよね。

 ファミコンの発売価格は1万4800円。最新のゲーム機としては破格にも思えますが、当時の小学生のおもちゃと考えるとけっこうなお値段です。当然、発売時に買ってもらえる家庭は限られており、「ファミコンを持っている」というだけで一種のステイタスでした。

 ファミコン発売以前の自分の周りでは、誰かの家に行って遊ぶというのは雨の日くらいのもの。室内で友だちと遊ぶときは、ゲーム&ウォッチやLSIゲームを持ち寄ったり、漫画を借りて読むくらいしかなかったんですよね(家の中で騒いだら他人の親からも容赦なくどなられました……)。それに電子ゲームだと友だちが遊んでる画面がよく見えないのでプレイに一喜一憂できませんし、楽しみを共有するのは難しかった印象です。

 それがファミコンの登場とともに遊び方が一変。外で遊ぶ優先度が下がり、放課後はファミコンを所持するクラスメイトの家がたまり場に。それまで学校の校庭や公園で遊んでいた仲間も、こぞってファミコンゲームに夢中になりました。

 個人的には友だちのプレイを見ているだけでも楽しめたのですが、『マリオブラザーズ』『ベースボール』『ゴルフ』『アーバンチャンピオン』といった、友だちとの同時プレイや対戦プレイできるゲームには衝撃を受けました。ときにはプレイをめぐってケンカもしましたが、ゲームを通じて仲良くなった友だちがたくさんできたことは間違いありません。自分にとって、ファミコンはそれだけ画期的なコミュニケーションツールだったのです。

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