ファミコン芸人フジタ、少年ジャンプ原作「最凶の激ムズ」ソフト『北斗の拳』を語るの画像
ファミコン用ソフト『北斗の拳』(フジタ撮影)
ファミコン『北斗の拳』懐かしのゲーム画面

 ゲーム芸人のフジタです。いつの時代もキッズたちを夢中にさせまくっている雑誌と言えば『週刊少年ジャンプ』(集英社)。ファミコンにおいても、ジャンプ漫画を原作にしたタイトルは多々あり、特に80年代中盤までの売れ行きはゲームのクオリティよりも、原作コミックの人気に比例していたと言っても過言ではありません。雑な作りでおなじみの『ドラゴンボール 神龍の謎』(バンダイ・1986年発売)ですら、「原作人気+ファミコンバブル」によって100万本以上を売り上げているのです。それと同年にやはり100万本以上売り上げたソフトが、今回ご紹介する『北斗の拳』(東映動画)でした。

ファミコン『北斗の拳』タイトル画面

 昭和の子どもたちも「人気漫画のゲームはクソゲー率超高し!」とうっすら感じていたはずですが、「好きなキャラが主人公だし、次こそは!」と信じて毎度購入。しかし、1986年は本格的に漫画原作系のクソゲーが豊作の年だったのです。

『北斗の拳』のファミコンソフトは全部で4作品ありますが、この初代『北斗の拳』はラオウを倒してユリアを助けるのが目的の横スクロールアクションゲーム。まずゲームを始めて目についたのが、当時のファミコンゲームとしても気になるレベルの「グラフィックのショボさ」。キャラクターのケンシロウはまだしも、ステージの背景グラフィックは、よくある「ファミコンの接触不良で画面がバグってる」と思い、カセットを抜き差ししたほどです。

 そして『北斗の拳』と言えば、秘孔を突かれた敵が死に際に叫ぶ個性的な断末魔がおなじみですよね。その部分をゲームでフィーチャーするのは良いのですが、このゲームでは特定の敵をパンチで倒すと「あべし」の文字が出現。しかもそれを取るとケンシロウがなぜかパワーアップするのです! 「あべし」と言わせて経験値を入手したと受けとれなくもないですが、本当に原作を知ってる人が作ったのかな……と疑問に感じる部分でもありました。

バグってるのかと思った背景の建物と、パワーアップアイテムの「あべし」
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