■友だちと協力? それとも対戦?

『マリオブラザーズ』の2人用は、2人同時に同じステージをプレイできるのが特長。1人が敵を気絶させて、もう1人が敵を蹴り落とす……といったコンビでの協力プレイが楽しめるモードです。これは1人で遊ぶよりもはるかに盛り上がり、『マリオブラザーズ』の醍醐味と言っても過言ではない愉快なモードでした。

 ただ、その2人用には大きなワナが……。『マリオブラザーズ』の2人用では、わざと味方の足を引っ張るプレイも可能だったのです。たとえば味方が気絶した敵を蹴ろうとしている瞬間に“パワー床”を叩き、敵を気絶から目覚めさせて味方のミスを誘う……。そんな対戦ゲームのような2人同時プレイのことを、私の仲間内では「殺し合い」と呼んでいましたね。

相手を陥れる楽しさを初めて知ったゲームでした

 もちろん普通に仲良く協力プレイをする際にも、故意ではなく味方を殺してしまう“事故”が発生することがあります。当時は子ども同士なので多少ギスギスしながらも、こうした予期せぬアクシデントにも盛り上がっていました。

 ちなみに、2人用の「協力プレイ」と「殺し合い」というふたつの遊び方は、ちゃんと『マリオブラザーズ』の取扱説明書にも「仲良し型」と「ライバル型」のプレイスタイルとして紹介されています。(当時は説明書なんて読まずにやってましたが……)

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