■「殺し合い」を制するために……

 子どもの頃、私の周りで大流行したのは「ライバル型」。つまり対戦形式でのプレイです。一番よく使った戦法は、敵から逃げる相手を下から叩き、行動をジャマしたうえで敵にぶつけるというパターン。普通に2人で協力しながら遊んでいても事故死が起こりうるゲームなので、そういうミスから学んで対戦プレイ時のいやらしい戦術を考える……なんてこともやってました。

 それに友だち同士で遊んでいると、最初に協力プレイを念押ししたのに、いつの間にか片方が裏切って対戦が始まることも日常茶飯事。そのおかげで友だちとリアルでケンカになり、ファミコンを親に取り上げられた苦い経験もよみがえります。

 思えば任天堂のゲームには『マリオブラザーズ』以外にも、こうした「協力」と「対戦」の2タイプの2人用の遊び方ができるゲームがありました。のちに発売される『バルーンファイト』や『アイスクライマー』などは、やはり『マリオブラザーズ』的な2人同時プレイで盛り上がったゲームでしたね。

相手の失敗を誘うのに必死になり、自分がミスすることも……

 対戦型アクションという概念がそれほど普及していなかった時代に2人用モードのシステムを採用した『マリオブラザーズ』は、ファミコン世代の私たちに対戦プレイの楽しさを教えてくれた画期的なゲームだったと言えるでしょう。

 この記事を書くにあたって久しぶりに2人用をプレイしてみましたが、発売から37年たった今でも普通に盛り上がれるのが『マリオブラザーズ』の素晴らしいところ。本作のあと『スーパーマリオブラザーズ』が誕生して大ブームが到来し、マリオは国民的キャラクターになっていきますが、その前作『マリオブラザーズ』も間違いなく傑作ゲームでした!

(文・まさまさ)

  1. 1
  2. 2
  3. 3
ファミコン『マリオブラザーズ』懐かしのゲーム画面