■『僕らはみんな河合荘』河合律

 お次は2014年4月クールにアニメ化もされた、宮原るり氏の漫画『僕らはみんな河合荘』のメインヒロイン・河合律。律はつねに本を手に持っているほどの読書好きで、作中では頻繁に図書室に訪れる様子が描かれている。そんな彼女の読んでいる本は、かなり渋めのチョイス。作中に登場するのは基本的に架空の書籍だが、純文学の巨匠・三島由紀夫の『金閣寺』をもじった『銀閣寺』という書名も登場する。『金閣寺』は1950年に実際に起こった「金閣寺放火事件」をベースとした、三島の代表作。日本文学の傑作として世界各国でも高く評価されている。

 またアニメ版では好きな作家として、『白い巨塔』や『華麗なる一族』で知られる直木賞作家・山崎豊子の名前を挙げるシーンも。なお、アニメ版の主題歌であるfhánaの『いつかの、いくつかのきみとのせかい』は、原作4巻の表紙で律が持っていた本のタイトルから命名されたそう。一体どんな物語なのか、想像が膨らんでしまう。

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