■常に時代の先を行く、革新的な俳優

「ユ・アインには、常に時代の先を行く“革新的芸術家”という印象があります。若い頃から感受性が強く、尖がっている部分がありました。以前、彼にインタビューした際、『僕は常に、“はたして今、自分は幸せなのか?”と問い続けている。人気を得たかどうか、成功したかどうかに関係なく、自分自身に“幸せか?”と問いかけた時、“幸せだ”と胸を張って答えたいので、そのことにいつも一番大きな比重を置いて仕事をしている』と語っていました」(同編集部スタッフ)

 まさに、その言葉を裏付けるように、昨年2020年の映画『声もなく』(日本劇場公開2022年1月21日)ではセリフがないという難しい演技に挑戦。同作で二度目の青龍映画賞主演男優賞のほか、同人気スター賞、百想芸術大賞映画部門の男子最優秀演技賞など数多くの賞を受賞して、さらにその評価を高めた。ちなみに今年2021年の青龍映画賞人気スター賞は、ソン・ジュンギが受賞している。

『地獄が呼んでいる』のユ・アインは一、見クールで淡々としているが、ふっと見せる危うい表情など、わずかな所作からも目が離せない。静かで不気味な迫力は、これまで培ってきた高い演技力と、常に新しいことに挑戦したいという彼の意欲から生みだされているのだろう。

画像:Netflixシリーズ『地獄が呼んでいる』

『地獄が呼んでいる』の原作は、ドラマ化を手掛けた映画監督ヨン・サンホと漫画家チェ・ギュソクの共著となるコミックだ。韓国で発売された単行本の日本語翻訳版『地獄』(全2巻)が双葉社から発売されている。