男性声優誌「声優MEN」の人気対談「福山潤 プロフェッショナルトーク」がなんと一冊の本に。このたび、書籍だけの限定コンテンツとして、お笑い芸人のハライチ・岩井勇気との対談が行われた。クリエイティブな二人が繰り広げるトークの一部をお届けする。

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 人気声優の福山潤と対談を行ったのは、無類のアニメファンで、知識を生かしてアニメイベントのMCや乙女ゲームのプロデュースなど幅広く活躍する芸人・岩井勇気。もともと交流のあった二人だが、この日のトークでは、アイドル、乙女ゲーム、お笑いについてとノンストップトーク。そして仕事のスタンスについての話題となると、身を乗り出して熱量がアップ! 次第に、二人の共通点が見えてきた。

■「計算」と気付かせない男“ハライチ岩井”を語る

岩井 僕みたいな(イベントの)MCってあまりいないと思うんですけど、福山さん的には正直どう思っているんですか。

福山 岩井さんは泳がせるところは泳がせつつ、こちらのフリにもしっかり乗ってくれますし。ひとつ感じたのは、岩井さんは決して助けてくれという目はしないのに、気付いたら僕が前に出ざるを得ない状況を作っているんですよね。そのときは別に手のひらの上で踊らされている感覚はないんですけど、終わってから“あれ? もしかして全部計算だった?”と思うことは多々ありますね。

岩井 (笑)。

福山 そういうところが、いわゆる普通のお笑い芸人さんのやり方とは違うなと感じるので、つくづく不思議なバランス感覚の持ち主だと思っています。

岩井 そういう人って、ほかにいます?

福山 いないですよね。

岩井 だからやってるんです(笑)。

■“継承したい”からこそ、手の内をさらす

福山 僕のモットーは「手の内はすべてさらす」なんです(笑)。僕ら声優って、個人差はあれど、先輩方から連綿と受け継がれてきた技術を継承したいという気持ちがどこかにあるんですよね。芸人さんの世界って、先輩から受け継いだり、あるいは下へ伝えたりという文化はどのくらいあるんですか。

岩井 直接の継承はともかく、「学び」自体はたくさんありますよ。実はお笑いって、歴史が深まるにつれてどんどんと方法論が解き明かされているんです。以前に明石家さんまさんが「俺らの時代より若い世代のほうが面白くなってきている」と言っていて、その時は「そんなまさか」と信じられなかったんですけど…。

福山 若手の芸人さんが研究しているんですね。

岩井 研究なのか感覚的なものかはそれぞれだと思うんですけど、これまでのお笑いを取り込んで、それを進化させているのは事実だと思います。

福山 僕はお笑いは素人ですけど、アニメにおけるギャグやコメディ作品では、今は一周まわって「大声を出すこと」がいちばん面白いんじゃないかと思ったりもしますね。

岩井 それも一理あると思います。そもそも僕は「つまらないやつ」なんて存在していなくて、誰でも「面白くなる手前の状態」にあると思っているんです。だから「どうすればある人間が面白くなるのか」をいつも突き詰めて考えているような気がします。

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 ますますヒートアップする二人の仕事論は、きっと学びが多いはず。この続きは、「福山潤 プロフェッショナルトーク」(10月22日発売予定)でご覧いただけます。

■PROFILE
●福山潤 ふくやまじゅん

11 月 26 日生まれ、大阪府出身。 2007 年、初代声優アワード主演男優賞受賞。『無敵王トライゼノン』で初主演。代表作に『コードギアス 反逆のルルーシュ』(ルルーシュ・ランペルージ)、『吸血鬼すぐ死ぬ』(ドラルク)、『新幹線変形ロボ シンカリオンZ』(スマット)、『Vivy -Fluorite Eye's Song-』(マツモト)、『暗殺教室』(殺せんせー)、『七つの大罪』(キング)など。近年はアーティストとしても活躍。

 

●岩井勇気 いわいゆうき

1986年生まれ、埼玉県出身。06年に幼馴染みの澤部佑と芸人コンビハライチとしてデビュー。ボケ、ネタ作り担当。09年のM1グランプリでは決勝進出し、高い実力で話題を集める。テレビバラエティのレギュラーに『おはスタ』(15年~)やラジオパーソナリティ、ゲーム『君は雪間に希う』では原作&プロデュースを手がけ、ヤングマガジン連載の『ムムリン』では漫画原作を務めるなど、活動は多岐に渡る。最新著書エッセイ『どうやら僕の日常生活はまちがっている』が9月28日に刊行。