TVアニメ『ノーゲーム・ノーライフ』『宇宙よりも遠い場所』を手掛け、世界でも高い評価を受けているいしづかあつこ監督によるオリジナル劇場長編アニメーションが公開される。「WEB声優MEN」では、いしづかあつこ監督にインタビューを敢行! 第1回となる今回は、タイトルに込めた想いと、『鬼滅の刃』などでも活躍中の声優・花江夏樹について語ってもらった。(全3回)

 

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少年たちの冒険と成長を描いた物語

 

(C)Goodbye,DonGlees Partners

――南極を目指す女子4人を描いた『宇宙よりも遠い場所』は、元宇宙飛行士の毛利衛氏が昭和基地に招待されたときに語った、「宇宙には数分でたどり着けるが、昭和基地には何日もかかる。宇宙よりも遠いですね」という言葉が由来でした。『グッバイ、ドン・グリーズ!』は、ドン・グリーズというチームを名乗る冴えない男子3人の青春冒険譚ですが、このタイトルはどのようなきっかけで生まれたのでしょうか?

 

「ドン・グリーズという名前は、実は脚本の最終稿で突然出てきたんです。物語自体は出来上がったけどタイトルはまだ仮で、最後に脚本をあちこち調整していたタイミング。そこで突然、それまでなかったドン・グリーズという名前が初めて出てきたので、本読みに出席していた人たちは『え? 何これ?』となったと思います(笑)」

 

――そうだったんですね! それまではどんな仮タイトルだったんでしょうか。

 

「それまでは、仮として『CHANGE!』というタイトルをつけていたんですよ。少年たちの変化や成長を大きく描く作品だから、とりあえずチェンジというテーマを置いておきましょうと。そして最終稿でドン・グリーズという名前が出てきたけど、これをそのままタイトルにするわけにはいかないじゃないですか。さすがに何が何だかわからないし、どうしようかと考えたときに“グッバイ”という言葉が出てきたんです。この映画で描いているのは新たな世界への飛躍ですから、確かに“グッバイ”だなということで、このタイトルになりました」

 

――ドン・グリーズというチーム名を思いついた、具体的なきっかけはありますか?

 

「自分でもよくわからないんですよね。本当にふと、その響きを思いついたんです。元々、この3人の友情を象徴するものがほしいなとは思っていたんですよ。そのつもりで秘密基地を置いていたんですが、秘密基地の中でドロップとの友情を深める物語ではないので、それだけだとちょっと弱いなと。ドロップを含めた3人として、何かしらの枠がほしかった。そこで何か名前を決めようと思ったとき、思いついた言葉が“ドングリーズ”だったんです。その音からまず『どんぐりの背比べ』というイメージが湧き、他にはどんな意味がこの字面に含まれるかなと考えていって、最終的に『ドン・グリーズ(DonGlees)』という表記になりました」