「『グーニーズ』を観て、近くの洞窟を探していました」

 

本作は、草木や光に至るまでディテールが美しい。

 

――ところで、監督にとっての映画の原体験を教えてください。

 

僕の子ども時代でいうと、スティーブン・スピルバーグの映画ですよね。たとえば、『グーニーズ』を観て、家の近くに洞窟がないかなと探していました(笑)。多分、映画を観たことで違う日常が生まれたら楽しいなと思っていたんでしょうね。それでいえば、小学生の頃、『ネバーエンディング・ストーリー』を観たこともいまだに記憶に残っていますね。実写ゆえの画面のパワーで、アニメであの迫力を出すことは、なかなか難しいのもわかっています。けれど、あの作品同様に日常では味わえない感動を、僕もファンタジーなどで挑戦してみたいと思っていますね。

 

――監督の手掛ける新たなファンタジー、楽しみにしています! いまあらためて感じられているアニメ作りの魅力をお聞かせください。

 

アニメが、観た人の人生を豊かにする“何か”であったらいいなと思うんです。この作品においては、嫌なことがあっても前向きに生きようという気持ちになってほしいなと思って作ったのですが、そういう元気を与えられる作品を自分の手で作れるところがこの仕事の魅力ですよね。
ただ、大人になると嫌なことを忘れるために映画を観に行こうとなったりする気持ちもわかります(笑)。ですから、僕の想いとしては、映画を観たあとに、しばらくの間幸せな気持ちになってほしい。観た世代や環境、それぞれにとって、いいエフェクトがこの映画によって起こればいいなと思いますし、そんな映画の力を信じています。

 

<PROFILE>
橘 正紀 Masaki Tachibana
1976年生まれ、アニメーション監督。東映アニメーションで演出助手を務めたのち、09年に『東京マグニチュード8.0』でアニメ初監督。以降、演出、原画、絵コンテなどを多くの作品で手掛ける。近年の監督作に『ばらかもん』(14年)、『プリンセス・プリンシパル』シリーズ(17年〜)などがある。

 

<作品情報>
映画『ブルーサーマル』
2022年3月4日(金)全国公開

監督:橘 正紀
脚本:橘 正紀 高橋ナツコ
声の出演:堀田真由 島﨑信長 榎木淳弥 小松未可子 小野大輔 白石晴香 大地 葉 村瀬 歩 古川 慎 高橋李依 八代 拓 河西健吾 寺田 農
原作:小沢かな『ブルーサーマル ―青凪大学体育会航空部―』(新潮社バンチコミックス)
主題歌:「Blue Thermal」SHE’S(ユニバーサル ミュージック)
挿入歌:「Beautiful Bird」SHE’S(ユニバーサル ミュージック)
アニメーション制作:テレコム・アニメーションフィルム
配給:東映

STORY
高校時代、バレーボール一筋で頑張ってきた都留たまき。
サークル活動や恋愛などで充実した、“普通の大学生活”に憧れ長崎から上京するも、入学早々とある事故でグライダーを傷つけてしまう。その弁償のために“体育会航空部”の雑用係をすることに。
思い描いていた大学生活とはかけ離れた環境に不満を抱いていたが…、主将である倉持の操縦するグライダーで初めて《空》へ飛び立った瞬間から、一面に広がるその美しさに魅了されていく。
「もっとたくさん飛びたい!」とだんだん《空》の世界に夢中になっていくたまき。
彼女の天真爛漫な性格は周りを明るく照らし、気づけば、共に練習に励む先輩の空知や同期との間にも固い絆が生まれていくのであった。 そこには、確かに彼女の求める“充実した大学生活”が存在していた。
ところが、他校との合同合宿で仲たがいしていた姉・ちづると再会する。
時を経ても冷たい態度の姉に《空》の世界にいることを否定され、下を向いてしまうたまき。
更に、初めての大舞台・新人戦では強力なライバルも現れ、 周囲からのプレッシャーに動揺を隠せない。
「自分らしく飛んで来い」
倉持の言葉で上を向くことができたたまきは、 様々な人の想いを乗せて、大空での戦いに挑む。
果たして、《空》に恋した彼女は“幸せになれる風=ブルーサーマル”を捕まえることはできるのか。


公式HP
https://blue-thermal.jp/
公式Twitter
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公式Instagram
https://www.instagram.com/eigabluethermal/

© 2022「ブルーサーマル」製作委員会

 

 

 

 

 

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