“男子バレエ”を熱く描いた疾走感溢れる青春漫画『ダンス・ダンス・ダンスール』のアニメーション化を記念して、「WEB声優MEN」では本作を大特集! 山下大輝が演じる主人公・潤平は、幼い頃からバレエに惹かれながら、亡き父のように“男らしく”ありたいと、違う道を歩もうとしていた中学2年生だ。そんな潤平の葛藤に山下は強く共感し、同調しながら演じたという。果たしてどういうことなのか、詳しく聞いた。(全3回)

 

父と同じではないことは、いけないことかもしれない

潤平は転校生・都(みやこ)との出会いによって揺れ始める

――潤平は幼い頃にバレエと出会って魅了されますが、アクション監督だった亡き父親の「男らしくあってほしい」という願いに縛られ、女性的なイメージのあるバレエを避けてきた少年です。本作の序盤では彼がその壁を乗り越えるまでの葛藤が描かれますが、山下さんはどう思われましたか?

 

「めっちゃわかる!」と思いました。潤平と僕、割と境遇が似ているんですよ。潤平はお父さんがアクション監督で、その背中をずっと見ていたから憧れてるし、かっこいいと思う気持ちはもちろんある。でも自分が「好きだ! やりたい!」と思うことは、お父さんと同じではない。同じではないことは、いけないことかもしれない……。そういうナイーブな気持ちは、僕にもありました。

僕の父親はテニスのコーチをしていて、僕は物心つく前からテニスをやっていたんです。だから、テニスをやって、大会に出場して、良い結果を残さないといけないという縛りの下で生きてきた。でも「これ……楽しいか?」と考えたとき、どちらかと言うと楽しくないなって。友達とワイワイやる分には楽しいけど、誰かと競って、勝っても負けてもまた次の試合に向かって、という世界には……ワクワクしないというか。いつの間にか「やらなきゃいけないからやってる」になってしまっていたんです。

 

――それに気付いたのは、何歳頃でしたか?

 

徐々に気付き始めて、疑念が生まれたのが中学くらい、確信に至ったのが高校くらいです。

 

――やはり潤平と同じく思春期の頃に、本当に自分がやりたいことに気付いたんですね。

 

はい。そして僕が心を動かされるもの、「もっと知りたい、やってみたい!」と思うのは何だろうと考えたら、声を使って何かをすることや、観る人が感動する芸術やエンターテイメントの世界だったんです。僕の場合はディズニーがその筆頭でしたね。それまで「テニスで強くならないといけないといけない」という世界にいたので、それを打ち破るには相当な覚悟が要りました。何かを選択するには、何かを捨てなければいけないっていう思いは、その頃からあったかなぁ……。だから潤平とは境遇がちょっと似ているな、割と気持ちもわかるなって、同調する部分が多いです。

 

自分の道に踏み出せたのは、背中を押してもらったから

 

――では特に序盤は、潤平に共感しながら演じられたんですね。

 

潤平の「“男らしく”って、何だ?」という気持ち、すごくわかります。「好きなだけじゃダメなのか?」「そこに“男らしく”がないとダメ?」。そういう疑問あるよねって、共感しながら演じてましたね。そこから吹っ切れて、自分が好きなものを追求できるようになるには、すごいパワーが必要だったと思います。でもそういうときって、背中を押してくれる周りの存在が大きいですよね。

潤平の場合なら、お母さんがポロッと言ってくれた言葉や、都(みやこ/CV.本渡楓)との出会い、流鶯(るおう/CV.内山昂輝)の踊る姿、そして千鶴さんが言ってくれた言葉。それらがなければ吹っ切ることはできなかっただろうなと思うと、やっぱり周りの人に恵まれているし、それも潤平の魅力ゆえなのかなって。潤平だから、そういう人たちの目に留まって、そういうものを投げかけてもらえるんだろうなと思います。

 

――都は潤平がバレエに向き合うきっかけをくれた同級生、流鶯は潤平のライバルとなる天才的なダンサー。そして千鶴さんは都の母親で、潤平をバレエの道へと導いてくれたバレエ教師ですね。山下さんがお父様の期待する道から離れて、ご自分の道を歩もうとしたとき、背中を押してくれた存在はどなたでしたか?

 

それは母です。母はどちらかというと芸術寄りの人で。

 

――ではディズニーとの出会いも、お母様がきっかけで?

 

完全に母の影響です。小さい頃にディズニーのビデオを買ってきて見せてくれたのが最初で、そこから“歌や動きで何かを伝える”ということにすごく魅力を感じるようになって。母がこの世界の楽しさに気付かせてくれたし、自分がやりたいことも母にだけは言えたし、「高校卒業したら東京に行く!」と言う僕も受け入れてくれました。一番背中を押してくれた存在です。