内山昂輝インタビュー(3)流鶯の燃えたぎる内面に気付かされた境監督からの言葉/アニメ『ダンス・ダンス・ダンスール』特集の画像
『ダンス・ダンス・ダンスール』場面写真より(森 流鶯)

アニメ『ダンス・ダンス・ダンスール』は、対照的な二人の天才バレエ少年がぶつかり合う、熱く眩しい青春ストーリー。山下大輝が演じる主人公・潤平は明るく直情的なキャラクターだが、内山昂輝が演じる流鶯は対照的に、人見知りで体温の低い印象のキャラクター。しかしその内面には、意外な感情が渦巻いていたという。境宗久監督の言葉に導かれて内山が見つけた彼の想い、そしてそれを演じた手応えとは。アニメ『ダンス・ダンス・ダンスール』特集・内山昂輝インタビュー最終回。(全3回)

 

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「もっとエモーショナルに!」と言われたモノローグ

 

流鶯にとって一緒に暮らす都は大きな存在

――今回、境監督や音響監督とお話したことで、印象に残っていることなどはありますか?

 

今回は音響監督を監督が兼任されていたんです。だから僕らと直接コミュニケーションを取りながらアフレコを進めていったのですが、事前にあれこれ指定されるというよりは、僕らがやってみた演技に対して、「もっとこういう風にしてほしい」「このシーンはこういう感じで」と細かい指示をいただく形でした。

 

――その細かい指示というのは、具体的にはどのような内容でしたか?

 

シーンごとに色々ありましたが、バレエを踊りながらモノローグで自分の気持ちを語るシーンが結構ありまして。そのモノローグを普段の感覚でやってみたら、「もっとエモーショナルに!」と言われることが今回は多かったですね。「もっと派手な表現で」「もっと大きな表現で」と。

 

――内山さんが想定されていたより、かなりアグレッシブな表現を求められたんですね。

 

そうですね、意外と振り幅があるキャラクターなんだなと感じました。あまり人としゃべらない、コミュニケーションに後ろ向きだという一面を持ちつつも、その心の奥底では燃えたぎるような熱い想いやダークな感情、色々爆発するような気持ちを抱えているんだ、と感じました。

 

――やはりそういう感情を爆発させるようなシーンは、お芝居としてやりがいのあるシーンだったのではありませんか?

 

急激な感情の変化がある場面で、その変化を自然な流れとして表現することは、難しいことかもしれません。

 

――ところで、監督が音響監督を兼ねていらしたということですが、音響監督がいる現場との違いはありましたか?

 

音響監督がいる現場と違うのは“反応が早い”ということ。つまり、「ここをもう1回やってください」となるまでに、他の作品なら音響監督と監督がコミュニケーションをとる時間が必ずありますが、そのディスカッションがないのですぐにビビッドな反応をもらえるんです。テストをやった後に修正点を伝えに来るときも、監督ご自身と話すことになるので、答えがすぐそこにある。「これ、どうですかね?」という疑問もすぐ解決できました。ただ今回はそこにバレエの監修も入るので、そちらとのコミュニケーションの時間も大切でした。

 

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