国民的アニメ『名探偵コナン』の劇場版第25作『名探偵コナン ハロウィンの花嫁』がいよいよ4月15日に公開。今回の物語は、ハロウィンで賑わう東京・渋谷を舞台に、3つのエピソードが巧妙に絡まり合ったスリル満点のサスペンス! 公開に向けて、本作のプロデューサーである小学館の近藤秀峰さん、読売テレビの汐口武史さん、トムス・エンタテインメントの寺島清晃さんにインタビューを行ない、ベールに包まれた本作の魅力に迫る全3回の座談会。第1回目は企画意図や作品の観どころについて、たっぷりと語ってもらった。

 

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キーワードは「東京・渋谷」「高木刑事&佐藤刑事の結婚式」「警察学校メンバー」

 

(C)2022 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会

――まずはプロデューサーの仕事についてお伺いしますが、「名探偵コナン」の劇場版の企画が動き出すとき、最初に何をするのでしょうか。

 

近藤 劇場版は、毎年、原作の青山剛昌先生と「今年はどういった内容にしましょうか?」という打ち合わせをしているのですが、ここ数年、どのキャラクターを登場させるかだけは何作か先まで決めています。そうする事により、いろいろな施策を展開させる見通しが立てやすいので。今年の劇場版に関しては、「名探偵コナン 警察学校編」という、警視庁警察学校・鬼塚教場メンバーの5人(降谷零、松田陣平、伊達航、諸伏景光、萩原研二)がメインとなる作品や「名探偵コナン ゼロの日常(ティータイム)」という安室がメインとなる作品、このスピンオフ作品2つのテレビアニメ化を調整していた時期だったので、「じゃあ25弾の公開に放送を合わせましょうか」と。結果的にうまく合わせられることができました。

 

――長期計画なんですね。今回、江戸川コナン(CV.高山みなみ)=工藤新一(CV.山口勝平)は、それ以外にも連続爆破事件の犯人捜しで大奮闘します。

 

寺島 てんこ盛りでしたね。ようやく先日、映画も完成したんですよ。

 

――(取材は3月下旬に実施)完成をご覧になっていかがでしたか。

 

汐口 人間がしっかり描かれたお話だなと、完成を観て改めて感じました。キャラクターの表情や動きもしっかり作り上げられているなと。非常に派手な事件のなか、それぞれの思惑が複雑で、人間ドラマとしての要素がしっかり描かれている。名作です!

 

近藤 すでに名作決定ですね(笑)。これまでの劇場版シリーズでは、作品のキーキャラクターは怪盗キッドや服部平次と和葉といった、単体か多くても二人くらいが主だったのですが、去年の第24作『緋色の弾丸』(2020年)は赤井ファミリーという4人も重要なキャラクターが登場しまして(笑)。今年はさらに増えて高木&佐藤刑事に加えて警察学校メンバーの5人もいる!っていうね(笑)。

 

汐口 盛りだくさんですよね(笑)。

 

近藤 しかも警察学校メンバーは、5人のうち降谷以外の4人は亡くなっているので、時間軸的にコナンくんと接触ができないんです。だから、「どうやって物語に絡ませる?」というのが一番の問題でした。結果的に4次元的な物語展開になりましたが、それも青山先生からアイディアを頂いて、大倉崇裕さんがうまく脚本に落としこんでくれたものを、今回新しく監督をやってくださった満仲勧さんが上手くまとめて111分に仕上げてくれました。汐口さんの言葉じゃないけど、かなり名作だと思いますよ。

 

寺島 111分という長さを感じさせないほどテンポが良く、頭から最後まで画面にのめり込める世界観を、満仲監督をはじめ、スタッフさんの皆さんのお力で、すべてが観どころだらけの作品になったと思います。

 

(C)2022 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会

――今回、安室透は、かつての警察学校メンバーであり、現公安警察の降谷零として登場します。あることから首に爆弾を着けられてしまった降谷と、高木&佐藤刑事の恋模様がどうつながるのか、楽しみです。

 

近藤 これはもう、脚本の大倉さんの手腕で素晴らしいものになっています。大倉さんはもともと推理小説を書いていた作家さんなので、事件の概要など矛盾なく組み立てる事に長けた方です。そこに青山先生からキャラクター設定と、『コナン』ならではのラブコメ要素のアドバイスをいただいて。そして、アクション的な見地では、満仲監督が調整してくださった。そうやって細かな部分を直して最終的に絵コンテに流し込むという作業をしたので、この3人の力が全てです。我々はそれをあたたかく見守るだけでした(笑)。

 

――苦労なさっていた様子はありましたか。

 

寺島 満仲監督は、今作が初めての劇場版「名探偵コナン」監督作品でした。今回のキャラクターでいうと、降谷零は公安の人間で、ほかにも探偵・安室透、黒ずくめの組織の一員・バーボンという3つの顔を持つ男なので、警視庁の高木&佐藤刑事とは直接対面することができないキャラクターなんです。そういった人間関係を映像にするのは、最初苦労されていたと思います。

 

降谷零(安室透/バーボン)は「名探偵コナン」の新しい柱に

 

(C)2022 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会

――その降谷零=安室透(CV.古谷透)がテレビアニメや劇場版作品に登場してからファン層も変わってきたと思いますが、皆さんは安室についてはどう思いますか。

 

近藤 こんな人がいたらすごいですよね。自分とは違いすぎてきっと友だちにはなれなさそうですが(笑)。もともと、劇場版初登場は第20作『純黒の悪夢(ナイトメア)』(2016年)で、そのときにフィーバーしたんです。それはもう、我々が思った以上に。それで、第22作『ゼロの執行人』(2018年)は安室さんメインのお話しにしようという事になり。とはいえ、どうなるのかなという心配も少しあったのですが、フタを開けてみたらとても反響がありました。コナンという作品を支える柱として、怪盗キッドや服部平次という強い柱がもともとあったけれど、そこへまたひとつ太い柱が増えたなと思いました。

 

汐口 僕は今作から劇場版コナンのチームに入ったのですが、大人になってしばらくコナンから離れていた方たちも、安室さんっていうとピンとくる知名度の高さはすごいと思います。ある種、社会現象になったんだなと実感しました。

 

――安室を描くうえで、どんなところに注意していますか。

 

寺島 自分が絵を描けるわけではないので、安室をアニメーションにする際は、スーパーマンになりすぎないように、でもみなさんが思い描く安室のパーフェクトさ、カッコよさはしっかり守らなくてはならないというところをお伝えするのがとても難しいなと思います。

 

近藤 とても魅力的な男ですからね。

 

寺島 そうですね。

 

汐口 その魅力が、今回の劇場版『ハロウィンの花嫁』ではしっかり滲み出ていると思います。

 

 

座談会の第2回は、明日公開予定!

 

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PROFILE
近藤秀峰 
株式会社小学館 国際メディア事業局 クロスメディア事業センター所属。『業火の向日葵』でアシスタントプロデューサー担当、『純黒の悪夢(ナイトメア)』以降、今作までプロデューサー担当。

寺島清晃 
株式会社トムス・エンタテインメント 制作本部所属。『名探偵コナン』プロデューサーを担当。

汐口武史 
読売テレビ放送株式会社 編成局アニメーション部所属。ドラマ・バラエティ番組などを担当し、21年6月より現職。

 

 

《作品紹介》
『名探偵コナン ハロウィンの花嫁』
2022年4月15日公開

 

(C)2022 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会

原作:青山剛昌「名探偵コナン」(小学館「週刊少年サンデー」連載中)
監督:満仲 勧 脚本:大倉崇裕 音楽:菅野祐悟
主題歌:BUMP OF CHIKEN「クロノスタシス」
声の出演:
江戸川コナン●高山みなみ 毛利 蘭●山崎和佳奈 毛利小五郎●小山力也 安室 透●古谷 徹 高木 渉●高木 渉 佐藤美和子●湯屋敦子 スペシャルゲスト●白石麻衣
配給:東宝

公式サイト:https://www.conan-movie.jp/

(C)2022 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会
 

Story
東京・渋谷である結婚式が執り行われていた。そこにはウエディングドレス姿の警視庁・佐藤美和子刑事の姿が! コナンや蘭たちが招待客として見守る中、突如暴漢が式場に乱入。必死に守ろうとする高木渉刑事の姿を見た佐藤刑事は、ふと3年前の連続爆破事件で殉職した松田陣平刑事のことが脳裏に蘇る。
時を同じくして、その連続爆破事件の犯人がなんと脱獄! これは偶然か否かーー。
公安警察の降谷零は、同期の松田刑事を殉職においやった犯人を問い詰めるが、そこでハロウィンの仮装の人物に首輪爆弾を着けられてしまうーー。

果たしてコナンたちは、この事件を解決できるのか!?