木村昴インタビュー(2)川に沈んでいたエイが変えた、人生への向き合い方/劇場版『RE:cycle of the PENGUINDRUM』(『輪るピングドラム』)特集の画像
劇場版場面カットより(冠葉)

4月29日に公開を控えている劇場版『RE:cycle of the PENGUINDRUM [前編]君の列車は生存戦略』。「WEB声優MEN」では本作の公開を記念して、キャスト3名のインタビュー特集を掲載中! 今回は主人公のひとり・高倉冠葉役の木村昴インタビュー第2回。キャラクターの魅力や作品にまつわる話から見えてきた、木村昴の行動原理とは。(全3回)

 

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同じ長男として冠葉には強く共感する

木村昴

――木村昴さんが演じられた高倉冠葉は、本作の中軸である高倉兄弟妹の長男で、恋愛経験豊富な高校生です。木村さんは彼をどんな少年だと捉えていますか。

 

冠葉はやっぱり、愛の男というか、貫きの達人というか。自分の運命で定められたミッションを成し遂げるために、自分の命をも犠牲にして、大事なものをしっかりと守れる。そういう“芯の通った男”という感じがしますね。あとはやっぱり“お兄ちゃんの中のお兄ちゃん”。兄であるがゆえに責任感があって、頼りがいもあって、妹のことが大切で。その妹を守るため、自分の信じる愛を貫くために一生懸命な男だなと思います。

 

――双子の弟である晶馬は冠葉とは正反対の性格で、優しく純粋で親しみやすい少年です。木村さんは双子のどちらに共感しますか。

 

めちゃめちゃ冠葉です。晶馬も魅力的だけど、僕はやっぱり冠葉のようになりたいし、同じ長男なのもあってすごく共感しますね。

 

――冠葉は自分の考えをあまり周囲に話さない、ミステリアスな部分やシニカルな部分もありますよね。掴みづらさというのはありませんでしたか。

 

幾原監督は基本的に先々のことを教えてくれないので、彼にどんな事情があるのか、何を考えているのかというのは知らない状態で収録していました。でも何か考えがあって行動しているんだろうというのは、僕にも察しがついたので。彼には、あるべき家族像や兄弟らしさを守ろう、家の中ではお兄ちゃんらしく振る舞おうと意識していた部分が、おそらくあったと思うんです。その代わりにひとりでいるときは、抱えているミッションが見え隠れする。そういうことなのかなと思いました。

 

――高倉兄弟妹を一緒に演じられた、木村良平さん(晶馬役)と荒川美穂さん(陽毬役)の印象も教えていただけますか。

 

当時の話になりますが、収録のときはやっぱり、良平さんがお兄さんという感じでした。僕も荒川さんもほぼ初心者で、アフレコでは大変なところもありましたが、良平さんは経験豊富でアフレコもスムーズでしたから、いろいろ教えてもらったりサポートしてもらったりしましたね。僕ができないところを良平さんのお芝居で補ってもらうこともあったので、すごく助けてくれたいいお兄ちゃんという印象です。荒川さんはやっぱり、陽毬っぽかったですね。年齢は僕よりちょっとお姉さんなんですが、どことなく妹っぽい感じ。僕なんかじゃ力にはなりませんが、それでも「助けてあげたい」という気持ちになる。そういう印象ですね。

 

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