昨日から公開され、既に劇場で観た方も多いであろう劇場版『RE:cycle of the PENGUINDRUM [前編]君の列車は生存戦略』。本作の公開を記念して、「WEB声優MEN」ではキャスト3名のインタビュー特集を展開中だ。本日は高倉晶馬役の木村良平インタビュー最終回。本作のテーマについて、そして10年後の自分自身について、話を聞いた。(全3回)

 

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友達ではなく、家族でいたかった3人

劇場版場面カットより(荻野目苹果/CV.三宅麻理恵)

――『輪るピングドラム』は“家族”がテーマの作品ですが、木村さんは“家族”という単語からどんなことを考えますか。

 

僕は一人っ子で、子どもの頃は兄弟がほしいと思わなかったんですが、大人になってからうらやましいなと思うようになりました。家族って嫌でも家族というか、離れて暮らしたりしていても、何か大ごとが起きたら力を合わせたり相談したりして、大人になってからのほうが、兄弟の存在が頼もしいんじゃないかと思うんですよね。

ずっとそういうふうに考えていたんですが、『ピングドラム』を観ると、家族は「嫌でも家族」じゃなくて、家族たらんと努力しないといけないし、逆にそうやって家族を作ることもできるんだなって。考えてみたら当たり前ですよね。結婚や養子というものを考えたら、“作っていく家族”というのも当然あるわけで。自分たちにとって大切だから作ろう、守ろうと思って生み出す家族というものもあるんだなと感じました。

 

――実際に高倉兄弟妹は、一人も血が繋がっていない他人同士です。

 

でもこの3人は友達ではなく、家族でいたかったんですよね。

 

――なぜ友達ではなく、家族でいたかったんでしょうか。

 

やっぱり家族という存在が必要だから、じゃないでしょうか。自分というものを相対的に位置付けるために。あの3人って、3人でいるときの役割が明確なんですよね。でもそれは相手がいるから生まれる役割なので、そういう意味では、自分を大切にするために家族のつながりを大切にしている側面もあるのかもしれません。

 

――さて、この10年を振り返ってみて、ご自分の中で大きく変わった部分はありますか。

 

丸くなったとは思いますね(笑)。20代の頃はすごくとがっていたので。でもそれくらいかな。あとはあまり変わってないと思います。

 

――では10年後はどうなっていたいと思いますか。

 

新しいものを作っていたいです。停滞していたくない。もちろん自分が出演していれば、新作に関わり続けることはできますが、役者としても新しい試みをしていたいし、人間としても新しいことをしていたい。趣味でも仕事でもいいんですけどね。例えば今はグッズを作ったり、YouTubeチャンネルで動画を作ったりしているんですが、新しいもの創りをして、エンタメとしてみんなに届け続けていたらいいなと思います。

 

――エンタメのお仕事をされていてやり甲斐を感じるポイントは、やはり人が喜んでくれるというところでしょうか。

 

そうですね。幸せだと思いますよ。エンタメって、楽しむ以外に目的がないものじゃないですか。言ってしまえば無駄なものだけど、無駄なものを作れるのはとても贅沢なことだし、エンタメを作れているうちはみんな幸せで、平和。そこに時間とお金を使ってもらえるのはすごく幸せだなと思いますし、ましてや時には「作ってくれてありがとうございました」なんて言われたりする。すごいですよね。お金をもらってもの創りができる、それだけでWin-Winなのに、感謝までされちゃう。こんな贅沢なことってないなと思いますよ。