アニメ『ダンス・ダンス・ダンスール』特集の最後は、バレエにもアニメーションにも欠かせない重要な要素である「音楽」にフォーカス。本作の劇伴音楽を担当したのは、近年多くの映像作品で活躍している作編曲家・未知瑠だ。『白鳥の湖』をはじめとするクラシック音楽が多数登場する本作で、名曲の数々と共存しながらキャラクターやシーンを表現しうる音楽を生み出すのは、独自の難しさがあったのではないだろうか。インタビュー前編ではまず、原作の魅力から語ってもらった。(全2回)

 

※ ※ ※

 

潤平の痛みや喜びの一つひとつが胸に刺さった

 

――本作のサウンドトラックは、Blu-ray vol.1の特典として付属するそうですね。8月の発売が楽しみです! その音楽制作についてお伺いしていきたいのですが、まずは未知瑠さんが本作に参加されたきっかけを教えてください。

 

制作関係者の方が私の作品を覚えていてくださり、今回の作品イメージと合いそうとのことでお声がけ頂きました。

 

――本作では、バレエという舞台芸術がエネルギッシュに描かれていきます。表現の世界という意味では、音楽の世界と似たものがあるかと思いますが、原作を読まれたときはどのように感じましたか。

 

今回、お話をいただいたことをきっかけに原作を読み始めたところ、その熱量や求心力の強さ、あまりの面白さに、読み進めるのが止まらなくなってしまいました。自分も幼少の頃に少しですがバレエをやっていたこともあり、バレエの独特な雰囲気も含めすごく丁寧に描かれていて、自然と作品世界に入り込みました。

潤平がバレエに取り憑かれ夢中になっていく様子は、私自身、作曲を始めると作品世界に深く入り込んでしまうのと同じでとても共感でき、潤平の迷いや痛みや喜びなど一つひとつが胸に刺さりました。

 

――本作の劇伴制作をされる上で、作品の中核となる部分はどこだと思われましたか。

 

バレエの魅力はもちろんですが、それだけに留まらず、中学生である潤平や都たちが多感な時期を、好きなことにがむしゃらに打ち込み、ぶつかり合い、挫折もありながら成長していく姿だと思います。誰もが通過する道で、誰もが共感できる様々な思いや葛藤を、潤平たちがバレエを通じて見せてくれる。そこが核となる部分かなと思いました。

 

――今回、音楽の着想はどのように湧いてきましたか。また音楽の制作・収録で特に大切にされたことは、どういったことでしょうか。

 

潤平まわりの劇伴音楽については、まさに「青春感」というような、走り出したら止まらない情熱や荒削りだけど熱い想いを表していけたらと思い、ロックを中心としたバンド編成の曲を多く作曲しました。劇中にはチャイコフスキーのバレエ音楽など、優美なクラシカル曲が多く登場しますので、その雰囲気とは対照的な部分を劇伴音楽で表して、対比をつけていけたら面白いと思ったんです。

逆に流鶯まわりの曲は、一歩引いた目線で、冷淡で残酷だけれども美しさを秘めた音楽にしたいと思い、弦楽器やピアノなどを中心としたクラシカルな編成になりました。

 

――本作ならではの劇伴制作の面白さや、印象に残っている楽曲がありましたら、教えてください。

 

原作でもアニメ本編でも冒頭シーンとなる、ブランコが踊る音楽「星が爆ぜる」を作曲した時のことが、特に印象に残っています。潤平の心で「ビリビリ、ビカビカ、ドッカーン!」と星が爆ぜ、潤平の人生を左右すると言っても良いくらい重要な曲になるので、とにかく印象に残る曲にしたい、またバレエ音楽としても美しいものにしたいと思い、かなり模索しました。何度も原作の冒頭シーンや脚本を読み返し、ブランコの踊りを想像しながら、心を研ぎ澄ませて作曲しました。

 

※「星が爆ぜる」はティザーPV全編を通して使われている。

 

インタビュー後編は明日掲載予定。お楽しみに!

 

アニメ『ダンス・ダンス・ダンスール』特集はこちら

 

【PROFILE】
未知瑠 みちる
作編曲家。1980年生まれ。クラシック音楽をルーツとしながらも、ジャンルの垣根を越えて音楽を探索し、ポップ、Rock、Jazz、エレクトロ、民族音楽、現代音楽、等様々な要素を彼女独自の音楽へと変容させる。
近作として、TVアニメ『トモダチゲーム』(2022)、『処刑少女の生きる道』(2022)、『ふしぎ駄菓子屋 銭天堂』(2020~)、『本好きの下剋上 司書になるためには手段を選んでいられません』(2019~)、『ギヴン』(2019)等の他、映画やTVドラマでも音楽を担当。また、スタジオジブリ短編『たからさがし』(宮﨑駿監督/2011)の音楽を手掛けた。ソロ名義でも2枚のアルバムをリリースしている。
公式サイト https://michiru.jp/ja/

 

Blu-ray1巻は特典にサウンドトラックも!
『ダンス・ダンス・ダンスール』Vol.1
2022年8月31日発売予定

原作者ジョージ朝倉描き下ろしジャケット

収録話:第1話~第2話(2話収録)
価格:9,680円(税込)/DMPXA-276

【特典】
アニメ描き下ろし天地空きスリーブケース
原作者ジョージ朝倉描き下ろしジャケット
原作者ジョージ朝倉描き下ろしジャケットイラストカード
スペシャルブックレット(8P)
オリジナルサウンドトラック①、②

 

作品情報
TVアニメ『ダンス・ダンス・ダンスール』
毎週金曜25時25分~放送中

【あらすじ】
中学2年生の村尾潤平は、幼い頃にバレエに魅了されるも父の死をきっかけにその道を諦め、「男らしく」あろうとジークンドーに通っていた。ある日、クラスメイトの五代都にバレエへの興味を見抜かれ、一緒にやろうと誘われる。都の母親が開くバレエスタジオに出入りするようになった潤平は、かつての情熱を再燃させ、バレエを習うことになるのだが――。

潤平の前に現れたのは、バレエの英才教育を受けた孤高の天才・森 流鶯。

潤平は圧倒的な実力差に打ちのめされるが、その熱量はますます高まるばかり。流鶯もまた知らず知らずのうちに潤平に触発されていく。そして、2人の前にさらなる高みを目指す者たちが現れ――。

華麗なダンスの裏で、もがき続ける少年少女たち。
青春の衝動が、今、ぶつかり合う。

 

【CAST】
村尾潤平:山下大輝
森 流鶯:内山昂輝
五代 都:本渡 楓
安田海咲:天﨑滉平
田倉大和:西山宏太朗
生川夏姫:福圓美里
姫乃小路寿:井之上 潤

 

【STAFF】
原作: ジョージ朝倉「ダンス・ダンス・ダンスール」
(小学館「週刊ビッグコミックスピリッツ」連載中)
監督: 境 宗久 
シリーズ構成: 成田良美
キャラクターデザイン:長谷川ひとみ
総作画監督:長谷川ひとみ 小美野雅彦 黒岩裕美
副監督: 清水久敏
バレエ演出:大谷 肇
バレエ作画監督:桑原 剛 小笠原篤
美術監督: 藤野真里
撮影監督: 八木まどか
CGディレクター: 鷲田知子
色彩設計: 田辺香奈
編集: 長坂智樹
音響制作: dugout
音楽: 未知瑠
振付:宝満直也
バレエ監修:阿部さや子
制作: MAPPA

OPテーマ YUKI「鳴り響く限り」
EDテーマ ヒトリエ「風、花」

 

【放送情報】
MBS/TBS系 全国28局ネット「スーパーアニメイズム」枠 他にて
毎週金曜25時25分~放送中
※放送日時は変更になる可能性があります
BS朝日 毎週日曜23時~放送中
AT-X 毎週水曜22時30分~
※リピート放送:毎週金曜10時30分~/毎週火曜16時30分~

【配信情報】
ディズニープラス「スター」にて4月より国内独占配信

 

【第1幕〜第5幕振り返り動画】https://youtu.be/VwNhjLS0eyc

 

【公式サイト】danseur-anime.com
【公式Twitter】@danseur_anime

 

©ジョージ朝倉・小学館/ダンス・ダンス・ダンスール製作委員会