音楽・未知瑠インタビュー(2)かつてもらった感動がいまの創作の源/アニメ『ダンス・ダンス・ダンスール』特集の画像
第3幕場面カットより(潤平)

音楽とバレエは、切っても切り離せない間柄。『ダンス・ダンス・ダンスール』では、例えばレッスン中に奏でられるピアノへの反応などで、周囲とは異なる主人公・潤平(CV.山下大輝)の音楽的センスが描かれていく。音楽が他の作品とは異なる役割も担う本作は、数々の映像作品に携わってきた未知瑠にとって、どのような経験になったのだろうか。後編では本作での楽曲制作のエピソードに加え、表現者としての彼女の想いにも迫った。(全2回)

 

※ ※ ※

 

リアリティにこだわったレッスンの音楽

 

――境宗久監督とのやり取りや制作過程の出来事で、印象に残っているエピソードはありますか。

 

生川バレエスクールでバレエレッスンの伴奏をするピアニスト・妻村さんの演奏を収録した日のことは、とても印象に残っています。実際にバレエピアニストとしてご活躍されている蛭崎あゆみさんにご協力いただき、境監督や選曲の茅原さんやバレエ監修の阿部さんと意見を交わしながら、スタジオで録音していきました。蛭崎さんは、「実際のバレエのレッスンなら、潤平たちの年齢の男の子クラスならこんな感じかな」と、様々なバリエーションを探りながら弾いてくださいました。

 

――バレエを描く上で、そこに流れる音楽のリアリティにもこだわられているんですね。バレエは音楽と密接な関係にある身体芸術ですが、未知瑠さんはバレエやバレエダンサー、バレエ音楽について、どのような印象をお持ちでしょうか。

 

バレエを見ていると美しさにうっとりすると同時に、その裏には厳格な様式に則して技を磨き鍛え上げている、バレエダンサーの方々の計り知れない努力があることを想像して、尊敬の気持ちでいっぱいになります。今回、バレエシーンに関連するいくつかの劇伴音楽を、モーションアクターを担当されているバレエダンサーの方々に実際にご確認いただきながら制作したのですが、とても貴重な経験になりました。

 

第4幕場面カットより(流鶯)

――潤平はブランコの“生命の爆発”と言うようなエネルギーを目にしてバレエに魅了されますが、未知瑠さんが音楽に魅了されたきっかけは何でしたか。

 

一言で言うのは難しいですが、私も潤平たちと近い年齢の10代の頃に、何かに突き動かされるように音楽にのめり込み、惹きこまれ、夢中になって創作を続けているうちに、気づけば今に至っているという気がします。潤平がブランコのバレエから感じた様に、私もいくつもの作品や演奏から、受け止めきれないくらい大きなエネルギーや感動をもらい、その気持ちが溢れ出したものが創作の源となっているように思います。

 

――では最後に、読者や視聴者の皆様へメッセージをお願いいたします。

 

このアニメは、現在活躍されているバレエダンサーの方々が実際に踊っているところをモーショングラフィックとして撮影し、それを元にして作られていますので、バレエのシーンは大きな見所の一つです。私もこれから先の映像を見るのが楽しみで仕方ありません。そして既にバレエに詳しい方はもちろんのこと、バレエに初めて触れる方も魅了される作品になっていると思います。この作品が、実際のバレエ公演を観たりバレエに触れるきっかけとなる方も多いと思いますので、是非アニメと原作漫画を楽しんでいただけたら嬉しいです!

 

アニメ『ダンス・ダンス・ダンスール』特集はこちら

 

【PROFILE】
未知瑠 みちる
作編曲家。1980年生まれ。クラシック音楽をルーツとしながらも、ジャンルの垣根を越えて音楽を探索し、ポップ、Rock、Jazz、エレクトロ、民族音楽、現代音楽、等様々な要素を彼女独自の音楽へと変容させる。
近作として、TVアニメ『トモダチゲーム』(2022)、『処刑少女の生きる道』(2022)、『ふしぎ駄菓子屋 銭天堂』(2020~)、『本好きの下剋上 司書になるためには手段を選んでいられません』(2019~)、『ギヴン』(2019)等の他、映画やTVドラマでも音楽を担当。また、スタジオジブリ短編『たからさがし』(宮﨑駿監督/2011)の音楽を手掛けた。ソロ名義でも2枚のアルバムをリリースしている。
公式サイト https://michiru.jp/ja/

 

Blu-ray1巻は特典にサウンドトラックも!
『ダンス・ダンス・ダンスール』Vol.1
2022年8月31日発売予定

原作者ジョージ朝倉描き下ろしジャケット

収録話:第1話~第2話(2話収録)
価格:9,680円(税込)/DMPXA-276

【特典】
アニメ描き下ろし天地空きスリーブケース
原作者ジョージ朝倉描き下ろしジャケット
原作者ジョージ朝倉描き下ろしジャケットイラストカード
スペシャルブックレット(8P)
オリジナルサウンドトラック①、②

 

 

作品情報
TVアニメ『ダンス・ダンス・ダンスール』
毎週金曜25時25分~放送中

【あらすじ】
中学2年生の村尾潤平は、幼い頃にバレエに魅了されるも父の死をきっかけにその道を諦め、「男らしく」あろうとジークンドーに通っていた。ある日、クラスメイトの五代都にバレエへの興味を見抜かれ、一緒にやろうと誘われる。都の母親が開くバレエスタジオに出入りするようになった潤平は、かつての情熱を再燃させ、バレエを習うことになるのだが――。

潤平の前に現れたのは、バレエの英才教育を受けた孤高の天才・森 流鶯。

潤平は圧倒的な実力差に打ちのめされるが、その熱量はますます高まるばかり。流鶯もまた知らず知らずのうちに潤平に触発されていく。そして、2人の前にさらなる高みを目指す者たちが現れ――。

華麗なダンスの裏で、もがき続ける少年少女たち。
青春の衝動が、今、ぶつかり合う。

 

【CAST】
村尾潤平:山下大輝
森 流鶯:内山昂輝
五代 都:本渡 楓
安田海咲:天﨑滉平
田倉大和:西山宏太朗
生川夏姫:福圓美里
姫乃小路寿:井之上 潤

 

【STAFF】
原作: ジョージ朝倉「ダンス・ダンス・ダンスール」
(小学館「週刊ビッグコミックスピリッツ」連載中)
監督: 境 宗久 
シリーズ構成: 成田良美
キャラクターデザイン:長谷川ひとみ
総作画監督:長谷川ひとみ 小美野雅彦 黒岩裕美
副監督: 清水久敏
バレエ演出:大谷 肇
バレエ作画監督:桑原 剛 小笠原篤
美術監督: 藤野真里
撮影監督: 八木まどか
CGディレクター: 鷲田知子
色彩設計: 田辺香奈
編集: 長坂智樹
音響制作: dugout
音楽: 未知瑠
振付:宝満直也
バレエ監修:阿部さや子
制作: MAPPA

OPテーマ YUKI「鳴り響く限り」
EDテーマ ヒトリエ「風、花」

 

【放送情報】
MBS/TBS系 全国28局ネット「スーパーアニメイズム」枠 他にて
毎週金曜25時25分~放送中
※放送日時は変更になる可能性があります
BS朝日 毎週日曜23時~放送中
AT-X 毎週水曜22時30分~
※リピート放送:毎週金曜10時30分~/毎週火曜16時30分~

【配信情報】
ディズニープラス「スター」にて4月より国内独占配信

 

【第1幕〜第5幕振り返り動画】https://youtu.be/VwNhjLS0eyc

 

【公式サイト】danseur-anime.com
【公式Twitter】@danseur_anime

 

©ジョージ朝倉・小学館/ダンス・ダンス・ダンスール製作委員会