©創通・サンライズ・MBS
©創通・サンライズ・MBS

放送中の『機動戦士ガンダム 水星の魔女』でLynnが演じるミオリネ・レンブランは水星からの編入生であるスレッタ・マーキュリーと同じ学園に通うメインキャラクターの一人。

インタビューの後編では、キャリアを重ねて変わってきた自分自身のことや、役や作品への鋭い洞察力、そして自然体で役に臨むことを大事にしている彼女の「いま」を感じる言葉をお届けしたい。

前編はこちら。

 

※ ※ ※

 

【関連記事】『機動戦士ガンダム 水星の魔女』市ノ瀬加那インタビュー[前編]/「無理して可愛くしない」表現から生まれたものとは?

 

「お気に入りのキャラクターはシャアです」

 

――ガンダムシリーズが憧れの作品とおっしゃっていましたが、これまでの『ガンダム』と名の付いた作品もご覧になってこられたのでしょうか。

 

そうですね。『機動戦士ガンダム』はもちろん、『機動戦士ガンダム SEED』や『SEED DESTINY』、それから『機動戦士ガンダム00 [ダブルオー]』は学生時代にリアルタイムで毎週観ていました。グッズを買ったり、イベントに行ったり、かなりのファンだったんです。

キャラクターもみんな魅力的ですし、ストーリー性がシリアスというか、切ない展開も多くてグッときます。あとはやっぱり、モビルスーツそのもののカッコ良さ。いつか乗りたいなって思ってましたね(笑)。

 

――(笑)。

 

けれど、『機動戦士ガンダム』は、この役が決まったあとに拝見しました。やっぱり『ガンダム』とはなんぞやというのを知るには、『機動戦士ガンダム』を観ないことにはわからないと思ったんです。もちろん、名ゼリフや名シーンみたいなものは、今までも目にする機会があったんですけど、ちゃんと観て、やっぱり面白かったですね。

 

――特にどんなところに魅力を?

 

私がいちばんすごいなと思ったのは、戦いで重要な人物が亡くなってるのに、わりとコミカルな音楽が流れたりするところです。斬新だなって!

 

――劇中のシチュエーションとは逆のテンションの音楽などを使うのも、『ガンダム』らしさですよね。

 

音楽がコミカルだから、まさか死んだはずはないと思ってたら…というシーンがあって、そこは衝撃でしたね。逆にいえば、戦いの中で犠牲が生まれるのが日常になっている、恐ろしい状態を示しているのかなと思って。それを40年以上も前にやっているなんてすごい作品ですよね。

宇宙空間で人と人とが争っているのは非現実的なんだけど、すごくリアルに捉えやすい作品だとも思いました。

 

©創通・サンライズ・MBS
©創通・サンライズ・MBS

――その中で、お気に入りのキャラクターは?

 

やっぱりシャア・アズナブルさんですね。敵なのにかっこいいです。

 

――シャアは半分主人公みたいな感じですよね。

 

それも観たときに驚きました。序盤からシャアがいきなり戦っていて、もうずっとクライマックスなんですよね。けれど、アニメの途中でシャアがずっと出てこない時、すごい寂しいんですよ。“早く帰ってきて!”と思って(笑)。まんまとシャアの策略にハマってしまいました。

 

――(笑)。『機動戦士ガンダム』に出演された、今ではレジェンドと呼ばれている声優の方々のお芝居は、どのように受け止めてご覧になりましたか。

 

皆さん、本当に唯一無二なお声と存在感を全面に発揮してらっしゃいますよね。そこに生っぽさもあり、キャラクター感もある。

加えて、昔の絵のタッチって、味があるというか、独特の力がありますよね。そういうのもあいまって、登場人物の一人ひとりが非常に活き活きしているというか。真似しようと思っても、とてもじゃないけどできませんよね…。

 

――ホワイトベースの仲間同士でも、みんなが戦うような喋り方をするというか、臨戦態勢のような状態で、お芝居されている感じがしますよね。一方、リアルタイムで楽しまれていた『00』などは、どういうところが魅力だと思いますか。

 

『00』はキャラクターがかなり個性的で、お話的にも重めのストーリーだと思うんです。なので、“キャラクターのみんながどうか救われますように”という一心でずっと観ていた記憶があります。キャストの皆さんのお芝居が凄すぎたというのもありますね。

 

――そのお芝居は、ご自身の表現にも影響を与えているんでしょうか。

 

もちろんです。私も人の心に残るような、胸が苦しくなるような、そういうお芝居ができたらいいですし、ミオリネをそういうキャラクターにしたいという思いがあります。そこはもう、自分にできることを全力でやるしかないですね。

 

©創通・サンライズ・MBS
©創通・サンライズ・MBS

 

  1. 1
  2. 2