三位一体のブンデスとは対照的?足並み揃わぬ「プレミア再開計画」の画像
セルヒオ・アグエロ 写真:ロイター/アフロ

 ブンデスリーガの再開が決まった。ドイツのアンゲラ・メルケル首相は5月6日に国内16州の州知事との会議の中で、すべての試合を無観客で開催するなどの安全対策を含むリーグ再開案を承認。これを受けてブンデスリーガは、5月16日の再開を決定した。

 新型コロナウイルスの感染拡大により、一様に中断を余儀なくされているヨーロッパの主要リーグで最初となるブンデスリーガの再開は、リーグ、クラブ、選手の三者が足並みを揃えて準備を進めたその結果だと、英『BBC』のジョン・ベネット記者は指摘する。

「DFL(ブンデスリーガを統括するドイツ・フットボール・リーグ)のクリスティアン・ザイファート会長は、無観客での試合開催、国内5つの専門機関と協力し、2万件の感染検査を実施するなど、具体策を取りまとめ、4月23日の時点で明らかにしていた。その内容、取り組みが、地方自治体と政府を納得させるに十分だった」と解説。そして、レバークーゼンのスポーツ・ディレクター、シモン・ロルフェスの言葉として、「毎日の検温、3〜4日ごとの感染検査といった予防策に選手も安心感を覚えている」と伝える。

 リーグ、クラブ、選手が三位一体となって再開にこぎ着けたブンデスリーガに対し、一体感に欠ける印象なのがプレミアリーグだ。「プロジェクト・リスタート」と銘打った再開計画を進めているが、クラブや選手がそれぞれの立場で物を言い、足並みが揃っているように見えない。

 例えば、中立地での試合開催案には、ブライトンやアストン・ビラなど残留を争う下位チームが反発している。彼らが反対するのはホームアドバンテージを失いたくないからだ。

 あるいは、PFA(プロサッカー選手協会)のゴードン・テイラー会長が、安全を担保する提案のひとつとして、「45分ハーフでなくてもいいかもしれない」と試合時間の短縮に言及し物議を醸すなど、プロジェクト・リスタートはコンセンサスがまだまだ取れていないように感じられるのだ。

  1. 1
  2. 2