ヴィニシウス・ジュニオール(左) 写真:なかしまだいすけ/アフロ
ヴィニシウス・ジュニオール(左) 写真:なかしまだいすけ/アフロ

 ネイマールの獲得に失敗したレアル・マドリーだが、フロレンティーノ・ペレス会長のリアクションは素早かった。

 転んでもただは起きない。その姿勢が、マドリーを、ペレスを、欧州有数のクラブに仕立て上げたのだ。

 ペレスが見せた具体的な動き、それはスカウトの強化である。

 現在、ペレスが絶大な信頼を置いている人物がいる。ひとりは、ゼネラル・ディレクターのホセ・アンヘル・サンチェス。もうひとりが、国際フットボール部門のトップを務めるフニ・カラファトだ。同じ轍を踏むまいと、補強に向けてクラブ内の人事異動が行われ、南米のマーケットに注視できるようにと選ばれたのがカラファトだった。

 カラファトがマドリーに入閣したのは2014年だ。当初は、まさに南米のマーケットをチェックする役割を担っていた。しかし、次々にタレントを発掘してくるカラファトに対してクラブ内での信頼は日を追うごとに増していき、最終的には全世界を股にかける補強担当を務めるまでになった。そして、マルティン・ウーデゴール、久保建英、エデル・ミリトン、フェデリコ・バルベルデ、アンドリュー・ルニン、ブラヒム・ディアス、ルカ・ヨヴィッチ、エデン・アザールといった選手たちの獲得にカラファトが携わった。

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