「久保と乾」「優勝争い」6月11日再開!スペインリーグ大展望の画像
久保健英 写真:ムツ・カワモリ/アフロ

 新型コロナウイルスの感染拡大で3月6〜8日の27節を最後に中断しているラ・リーガが、6月11日に再開する。先陣を切ってこの日に開催される1試合が、セビージャ対ベティスのアンダルシア・ダービーだ。スペインでもっとも熱いとされるダービーマッチは、リスタートを告げる号砲としてまさに打ってつけだろう。

 再開後の日程は過密だ。残り11節の110試合を7月19日までの39日間で消化するカレンダーで、試合は毎日開催とノンストップで続いていく。各チーム週2試合のペースだ。

●優勝争い

 4連覇を狙うバルセロナが18勝4分け5敗の勝点58で首位に立ち、レアル・マドリードが16勝8分け3敗の勝点56で追走する。3位のセビージャは13勝8分け6敗の勝点47と離されており、タイトルレースはバルサとR・マドリードの両雄の一騎打ちだ。

 直接対決はすでに終わり、R・マドリードが1勝1分け(0ー0、2ー0)と勝ち越した。同勝点の場合、直接対決の結果で順位が決まるため、その点では追うR・マドリードがアドバンテージを手にしている。

 両チームの残りの対戦相手は、一桁順位の上位陣が3チームのバルサに対し、R・マドリードは5チーム。一方、降格回避に必死の下位勢が6チームのバルサに対し、R・マドリードは5チーム。難易度はほぼ互角か。

 R・マドリードは怪我のために今シーズン中の復帰が絶望視されていたエデン・アザールが中断期間中に回復して復帰を果たせたのが好材料だ。対するバルサも、1月に右膝を手術したルイス・スアレスが、これも長期の中断によって戦列に戻ることができたが、リオネル・メッシが6月2日の練習で右足を負傷。再開初戦に出場できない可能性もあるという。欠場が長く続くようだと、バルサにとっては大きなダメージだ。

 バルサは13日、久保建英が所属する18位マジョルカとのアウェーゲーム、R・マドリードは14日、乾貴士が所属する16位エイバルとのホームゲームで再スタートを切る。ちなみにR・マドリードは、本拠地サンティアゴ・ベルナベウの改修工事を前倒しで始めたため、Bチームが使用するアルフレド・ディ・ステファノ・スタジアムで残りのホームゲームを実施する。

 一方、ともに優勝を争う2強が最初の対戦相手となった久保と乾にとっては、残留を争うチームのためにも、それぞれバルサとR・マドリードに一泡吹かせたいところだ。

●CL出場権争い

 チャンピオンズリーグ(CL)の出場権(4位以内)争いは、バルサとR・マドリードに続く2枠を5チームが争奪する構図。3位のセビージャが勝点47、4位レアル・ソシエダが勝点46、5位ヘタフェも勝点46、6位アトレティコ・マドリードが勝点45、7位バレンシアが勝点42で、勝点5差の中にひしめく混戦だ。

 残りの日程でのこの5チームの直接対決は、ソシエダが3試合、バレンシアが1試合、セビージャ、ヘタフェ、アトレティコはそれぞれ2試合ずつ。なかでも、37節のソシエダ対セビージャ戦、ヘタフェ対アトレティコ戦、最終38節のバレンシア対セビージャ戦、アトレティコ対ソシエダ戦と、最終盤に組まれたこの4試合が勝負の行方を決めることになりそうだ。

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