「味スタショック」から見えた浦和レッズの「深刻な課題」の画像
追加点を奪われる直前。人数は足りていたが、アダイウトンにドリブルゴールを許してしまう  撮影:中地拓也
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 今季初黒星はまさに青天の霹靂。アウェイ味の素スタジアムでは05年以来、負け知らずの浦和レッズにとって2-0の完封負けはまさか、まさかの敗戦となった。

 試合前、両監督ともに勝敗のポイントを“局面での戦いをいかに制するかにある”と挙げていた。

その言葉通り、前半は各所で局地戦が繰り広げられ、一進一退の展開に。しかし趨勢は「堅守速攻」を熟知したFC東京に傾いた。

 浦和・大槻毅監督が「時間帯を考えても、もったいなかった失点」と振り返るように44分、FC東京DF森重真人のサイドチェンジから右サイドバックDF室屋成へ。室屋が上げたクロスにGK西川周作は触り、凌ごうとしたが、近くにいたDF橋岡大樹がクリアしきれず、結局、FWディエゴオリヴェイラの厚い胸板に押し込まれてしまう、なんともアンラッキーな失点となった。

 しかし密集するゴール前にクサビを打つより、圧の少ないところにパスを供給する。当たり前のことだが、その作り方、選択肢の多さ、あうんの呼吸はFC東京が一枚も二枚も上だった。

 後半序盤、浦和は立て続けにMF関根貴大、FWレオナルド、FWマルティノスと攻撃陣を投入。しかし、FC東京はこれを狙っていたのか、前に出るのを待っていたかのように青赤のユニフォームにボールを奪われ、浦和は押されっぱなし。

 66分、焦りを見透かされたようにMF青木拓矢のトラップミスをFWアダイウトンに拾われ、ショートカウンター発動。相手一人に3人で対応と、浦和守備陣の人数は足りていたはずだが、なすすべなく、2失点目を喫してしまった。

 試合後に、大槻監督は敗因についてこう述べている。

「形としてサイドのところで強みを持たせる選手や、クロスだけでない崩しの形を見せたかった。サイドに出たとき、FC東京の選手のアプローチの強さを上回ることができなかった印象だった」

「ディエゴオリヴェイラ選手のところで起点がつぶせなかったこと。サイドのスライドの強度のところで我々のほうが少し落ちたかなと感じた」

「先に取られたことで相手が構えてカウンターを打てるようにしてしまった」

 要約すれば、サイドでの攻防を制され、FC東京の出足の速さに負け、そして、相手のキーマンを抑えることができなかった、ということになる。つまり、完敗だった。

 

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