板倉滉「黄金の壁」独占インタビュー!(5)「CL決勝から得る刺激」欧州で生き残るために:前編の画像
ヨーロッパでプレーする板倉にとって、CL決勝は「他人事」ではない 写真:渡辺航滋
現在、オランダの1部リーグ、エールディビジでは4人の日本人選手がプレーしている。日本代表板倉滉もフローニンゲンの一員として、ヨーロッパで3年目となるシーズンを迎える。日本代表の将来を担うと期待される逸材は、どんな思いでヨーロッパで戦い、新シーズンに臨んでいくのか。2020-21シーズン開始に向けてトレーニングを続ける板倉に話を聞いた。

■対処しにくいのはネイマール? レバンドフスキ?

 板倉とのインタビューは、チャンピオンズリーグ決勝の翌日に行われた。ヨーロッパという同じ舞台で戦う板倉も当然、欧州最強を決める一戦を観戦した。もちろん、そこへたどり着こうとする、「プロ」の眼で。

――チャンピオンズリーグ決勝はご覧になりましたか。
「めちゃくちゃ面白かったですね。インテンシティとスピード、激しさと、すごかった。チャンピオンズリーグでプレーしたいなという気持ちが、すごく高まりましたね。優勝したバイエルンは、やはり全員強くて、うまい。そんなチームと対戦してみたいですね」

 バイエルンとパリ・サンジェルマン(PSG)による決勝は、0-0のまま後半半ばに入ろうとしていた。すると59分、交代出場したバイエルンのキングスレイ・コマンが大仕事を成し遂げる。右サイドからの攻撃で、最後はジョシュア・キミッヒのクロスをキングスレイ・コマンが頭で決めた。このゴールが決勝点となり、バイエルンが6度目の欧州制覇を成し遂げた。

――コマンのゴールを、どう分析しますか。
「(PSGの)サイドバックがマークについていたんですけど、(センターバックの)チアゴ・シウバがその前のプレーでちょっと前に出ていて、2対1の局面をつくられていたんですよ。後から映像だけ見ていたら“こうしたらよかったのに”と思うのは当然なんですが、サイドバックの気持ちもめちゃくちゃよくわかります。サイドバックがマークについていないと見られるかもしれないけど、あの局面で2対1の状況をつくられていたわけですからね。でも、あそこまでのレベルになると、どれが正解かというのは実際のところはわからないものです。相手のクロスだって、ピンポイントだったわけですから。でも、ああいう相手とやってみたいなと感じましたね」

――センターバックとしては、決勝に出ていたバイエルンのロベルト・レバンドフスキやPSGのネイマール、どちらが対処しにくいと感じますか。
「ネイマールとレバンドフスキに対して、やりやすいなんて言えませんが、あの2人のようなタイプなら、ポストプレーなどで体を張ってくる選手の方がいいかな。だって、ネイマールは相当うまいじゃないですか。ボールを持った瞬間、バイエルンも全員でプレスをかけにいっていたし、そもそもネイマールがフリーでボールを持てること自体が少なかったですよね。バイエルンはすごく徹底して対策していると思いました」

  1. 1
  2. 2