J1リーグで流血騒動!「GK顔面キック」でイニエスタが医療要請!の画像
真っ先に救護チームを呼び寄せたMFイニエスタ 撮影:中地拓也

■9月16日/J1第25節 神戸―C大阪(ノエスタ)

 衝撃的な光景だった。

 MFアンドレス・イニエスタが7試合ぶりに先発復帰した、神戸―C大阪。そのシーンは、イニエスタのフリーキックから始まる。32分、神戸が直接ゴールも狙える位置で、フリーキックを獲得。神戸サポーターが手拍子で応援する中、イニエスタが直接ではなく味方に合わせようとして蹴ったボールが、相手に弾かれる。そのこぼれを、C大阪の選手が大きくクリアした。

 そのクリアボールを、FW奥埜博亮がマイボールにすると、相手ディフェンダーと1対1の状況ができた。その左を猛然と走るのが、FW都倉賢だ。奥埜はその都倉に、斜めのパス。受け取った都倉は力強いドリブルで前進し、ついにペナルティエリアに侵入。そして、強烈なシュートを放つも、神戸GK前川黛也が弾く。弾いたボールは、都倉のほうにこぼれていった。前川は、飛び出す。こぼれたボールを確保するために。

 一方の都倉もボールに詰める。前川が弾いたボールを、押し込むためにだ。しかし、前川のほうが一歩早い。神戸サポーターの安堵の声が聞こえるかと思われた。しかし、だ。聞こえてきたのは、「ドゥオン」という鈍い音だった。都倉が、捕球する前川の顔面を蹴ってしまったのだ。

 次の瞬間、前川は倒れ、大の字になったまま動かない。近くにいた神戸MFセルジ・サンペールは、都倉を押し倒し、咆哮を浴びせる。事態を察した主審がすぐに近寄ってくる。主審はまず、都倉にレッドカードを提示。神戸の選手4人が前川を囲むと、その一人、イニエスタが真っ先に救護チームを要請した。前川の頭部からかなりの出血があったのだ。

 続けて、サンペールも必至の形相で救護チームを要請する。主審もすかさず救護チームを手招きする。前川の負傷具合は、それほどの異常事態だった。

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