日本代表欧州遠征総括(2)南野拓実1トップの現実度と森保監督のハードルが上がる「11月」の画像
南野拓実に指示をする森保一サッカー日本代表監督  写真:ANP Sport/アフロ
【前編に戻る】

■南野の1トップ起用もオプションに

 南野拓実はどうだったか。得点こそ奪えなかったが、プレーの印象は悪くない。リバプールというビッグクラブでプレーしている自覚が、攻撃だけでなく守備にもアグレッシブな姿勢につながっている。

 彼については、1トップとも絡めて語るべきだろう。

 大迫勇也がカメルーン戦のみの出場となり、コートジボワール戦は鈴木武蔵が先発した。今夏にベルギーのベールスホットへ移籍した26歳は、ポストプレーヤーの大迫とは違う特徴を持つ。スピード豊かに背後へ抜け出すのが持ち味だが、周囲とのコンビネーションが構築されていないこともあり、自身の特徴もチームメイトの良さも引き出せずに終わった。

 大迫が不在だった昨年10月のタジキスタン戦で、森保監督は鎌田を1トップで起用している。試合には3対0で勝利したものの、鎌田のプレーが勝利に結びついたわけではなかった。今回のコートジボワール戦を見ても、トップ下が彼の適正ポジションだ。

 コートジボワール戦で鈴木が73分に退くと、南野が2列目の左サイドからポジションを上げた。守備ブロックの間でパスを受けながら、シュートシーンに飛び出していく南野の1トップ起用は、現時点で鈴木よりチームの個性に合致する。

  1. 1
  2. 2