ACLに挑む「横浜FM、FC東京、神戸」の勝算(2)「Jの3チームが圧倒的に有利な理由」の画像
ヴィッセル神戸の中心・アンドレス・イニエスタ 撮影/中地拓也

※第1回はこちらより

日本サッカーを代表してACLに参戦する3クラブは、超過密日程のJリーグをさらなる高速で戦っている。Jリーグでの戦績は必ずしも思い通りになっていない。しかし、11月下旬からカタールで集中開催されるグループリーグの残り試合と、勝ちぬけば進む決勝トーナメントへの視界は良好だ。日本勢上位独占すら期待できる。FC東京は11月24日、横浜FMと神戸は25日から始まるカタールでの戦いは、12月19日に決勝を迎える。

■中国、韓国の強豪クラブがはらむ弱点

 しかし、ACLで対戦する中国や韓国、オーストラリアのチームがそこまで緻密に相手の良さを消すサッカーをしてくるとは考えられない。

 Jリーグのクラブなら横浜FMと年間に最低でも2回は対戦し、選手たち自身も横浜FMのサッカーを体感することができる。そして、他のクラブが実行した「横浜対策」の効果も参考にしながら、対策を練り上げて横浜FM戦に臨むことができる。

 ACLで対戦する各国のチームも、当然、横浜FMを映像などで分析しているはずだが、映像による分析と実際にスタジアムで偵察するのでは情報量は大きく違うし、ピッチ上での対戦経験があるとなしでは違いは大きい。

 そもそも、中国や韓国のチームがJリーグのチームほど戦術的に緻密な試合をするとは思えない。

 とくに広州恒大、上海上港、全北現代といった強豪クラブはACLの常連である。つまり、彼らは国内リーグで毎年のように優勝もしくはそれに準じた成績を上げる常勝軍団なのだ(今季の中国スーパーリーグ=超級聯賽は8チームずつ2グループに分かれて戦っているが、広州恒大と上海上港はやはり各グループで首位に立っており、全北現代もKリーグ1でやはり首位に立っている)。

 絶対的な存在である強豪クラブは国内リーグでは対戦相手を細かく分析して対策を立てて戦う必要はない。分析して対策を立てるべきなのは対戦相手の方なのだ。

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