”二十歳の怪物”ハーランドが「自分より優れている」と認めたFWは「7人だけ」の画像
アーリング・ハーランド 写真:ロイター/アフロ

 およそ8万人を収容するスタジアムで、たった300人が見守った伝統のダービー。10月24日に行われたブンデスリーガ第5節、ボルシア・ドルトムント対FCシャルケ04の試合は、本来このカードが持つ熱狂からは程遠い静寂の中で行われたようだ。ビルト紙は「ドルトムントがシャルケを空っぽの黄色い壁に押し付ける!」と記した。

 シャルケは永遠のライバルと呼ぶには余りにも弱々しく、ドルトムントが押しまくる一方的な展開。もちろん「黄色い壁」と呼ばれる2万5000人を収容するゴール裏には誰もいない。ダービーの雰囲気はファンが創り上げるもの。そう改めて思い知らされたコロナ禍の試合の中で、またも“怪物ぶり”を発揮したのは、アーリング・ハーランドだ。

 60分、ドルトムントのカウンターの場面。ノルウェー代表FWは、センターサークル付近でキープすると、奪いに来るチャン・ボツドガンを全く寄せ付けず、一旦ボールを近くのジェイドン・サンチョに預ける。すかさずゴールに向かって走るハーランド。ペナルティエリアの手前でサンチョからパスを貰い、ワンタッチでマティヤ・ナスタシッチを交わし、敵のGKフレデリック・ロンノウを嘲笑うようにチップキックで2点目を奪う。1人でシャルケを翻弄する20歳……。もしスタジアムが満員だったら、とてつもない熱狂に包まれていたに違いない。

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