サックスブルーのバンディエラ中村憲剛の引退を快く送り出すためにも、サポーターの前で優勝を決めるためにも、等々力のピッチを支配する必要があったが、見事にそれを果たしてみせた。

 序盤こそG大阪が2位の底力を見せつけようと前に出たが、22分、FWレアンドロ・ダミアンが先制してみせた。左サイドバックのDF登里享平が相手GKとディフェンスラインの間に入れたクロスに見事反応し、右足を伸ばしてゴールにネットを揺らして見せた。一見すると単純にクロスに合わせたゴールに見えるが、その前段階でFW家長昭博を中心にペナルティエリア手前でショートパスを何本もつなぎ、G大阪の選手を密集させていた。そこから左に展開し、ショートパスから一転して素早いクロスを入れたもので、G大阪DF昌子源はクロスをクリアするための足を伸ばすこともできない見事な展開だった。

 そのショートパス回しで中心になっていた家長は、鹿島戦以来3戦ぶりの出場だった。その試合で足首をひねっており、24日から痛み止めを打ってピッチに立った。そしてその家長が、等々力のピッチで輝きを見せる。

PHOTO GALLERY ■【画像】J1史上最速優勝を優勝を喜ぶ川崎の選手とG大阪に圧勝したプレー写真 全80枚■
  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  6. 6