J1昇格争い佳境(1)徳島が王手!!北九州のプレスをいなす「流動的サッカー」の中心「背番号8」【戸塚啓J2のミカタ】の画像
岩尾憲(徳島ヴォルティス)   写真:アフロスポーツ
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■北九州を寄せつけず! 徳島がJ1昇格まで「勝点3」に!

 徳島ヴォルティスが、J1昇格に大手をかけた。

 12月2日のJ2第38節で、徳島は4位のギラヴァンツ北九州を退けた。

 試合内容は盤石である。油断を感じさせず、スキを見せず、いつもどおりに組織的で流動的なサッカーを展開していった。

 開始6分、デザインされた右CKから岸本武流が先制点をマークすると、その後は北九州のハイプレスを巧みにすり抜けていく。いつもの3-4-2-1ではなく垣田裕暉佐藤晃大の2トップにしたことで、前線にボールをあずけてプレスを回避していった。

 2トップへのパスを効果的に使いながら、自陣からもビルドアップをしていく。ここでは、ダブルボランチの一角を担う岩尾憲のプレーが出色だった。

 徳島の背番号8が攻撃の起点になるのは、北九州も分かっている。どうにかして包囲しようとするのだが、岩尾はプレッシャーを受けてもボールを失わず、バックパスばかり選ぶこともなく、ポゼッションのベクトルを前へ向ける。自らボールを持ち出したりもすることで、相手のプレスを確実に剥がしていった。

 1対0で迎えた59分には、渡井理己が巧みな抜け出しから追加点を奪う。72分にPKで1点差に詰め寄られたものの、84分に垣田が2試合連続となる自身16点目を決めると、90+3分には左CKの流れからダメ押し弾をゲットし、北九州を4対1で下したのだった。J1昇格のプレッシャーに縛られてからくも勝点3をつかむのではなく、2試合連続で大量4ゴールを記録するのだから、まさしく「盤石」の戦いぶりである。

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