J2激動の移籍市場序盤戦!(1)浦和、C大阪、札幌…隆盛の「個人昇格」と「本気のチョウ・キジェ京都」の画像
京都サンガF.C. チョウ・キジェ新監督    写真:森田直樹/アフロスポーツ

■栃木の明本が浦和入り! 金沢の加藤はセレッソへ

「個人昇格」という言葉がある。自身が所属するクラブはJ1昇格を勝ち取れなかったが、個人的にJ1のクラブへ引き抜かれるケースを指す。

 今シーズンのJ2を盛り上げた注目株も、J1への個人昇格を果たしている。

 J3からの昇格1年目で5位に食い込んだギラヴァンツ北九州では、FW町野修斗湘南ベルマーレへ完全移籍した。185センチのサイズを持ちながら柔軟性も高く、シーズン後半はゴールに絡めなかったものの通算で7得点7アシストをマークした。北九州では2トップの一角で起用されたが、シャドーにも適応できそうだ。

 2019年の20位から10位に躍進した栃木SCでは、戦術的に重要な役割を担ったMF明本考浩浦和レッズの一員となる。大卒1年目で40試合出場7得点8アシストをマークしたレフティは、ボランチ、サイドハーフ、2トップの一角に対応するユーティリティ性を備え、ディフェンス面での貢献度も非常に高い。リカルド・ロドリゲス新監督が徳島ヴォルティスと同じように複数のシステムを使い分けるなら、戦術的なキーパーソンになっていくはずだ。

 明本と同じ大卒1年目の選手では、ツエーゲン金沢のFW加藤陸次樹セレッソ大阪に引き抜かれた。利き足は右だが左足のシュートもスムーズで、ゴール前で相手の脅威となった。得点ランキング6位タイにしてチームトップの13得点を評価され、J1への扉を開いた。

 ファジアーノ岡山のGKポープ・ウィリアムは、大分トリニータへの加入が決まった。川崎フロンターレからの期限付き移籍で岡山入りした20年シーズンは、プロ8年目で初めて定位置をつかみ、リーグ戦40試合に出場した。チームは17位に沈んだものの好セーブも披露し、19年に期限付き移籍した大分の一員となる。

 20位に終わったザスパクサツ群馬から、J1へステップアップする選手もいる。センターバックの岡村大八が、北海道コンサドーレ札幌へ完全移籍した。

 大卒2年目の20年シーズンは、リーグ戦全42試合にフルタイム出場している。高さと強さを兼備したセンターバックが、J1でどこまで通用するのかに注目だ。

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