リバプール「危うい首位折り返し」と「チアゴ・アルカンタラ復帰」の収穫の画像
2か月ぶりに復帰したチアゴ・アルカンタラとユルゲン・クロップ 写真:ロイター/アフロ

 試合開始早々、リバプールは面食らった。前節のWBA同様、下位に沈むニューカッスルは引いて守ってくると思われたが、蓋を開けてみればリバプール以上のハイプレスを披露したのだ。

 相手が前に出てきてくれたにもかかわらず、中盤で相手を剥がす選手がいないリバプールはまともにビルドアップすることが出来ずに為す術なくプレスの餌食になった。小雪が舞う中でも6人が半袖で出場してきたニューカッスルは、プレスの勢いそのままに素早く人数をかけた分厚い攻撃で好機を作った。奪い返されればサディオ・マネモハメド・サラーに広大なスペースを与えてしまうが、虎穴に入らずんば虎児を得ず、と異常なハイペースで強気に出ていた。強豪相手に素晴らしい戦いぶりだったが、冷静に見ればそのまま1試合続けることは体力的に絶対に不可能だった。

 つまりニューカッスルは、全力で1点を奪い、その後で引きこもる算段だったのだ。

 得点は奪えなかったものの、案の定25分ごろからは5-4-1で引いて守るようになった。ここからはリバプールがボールを持たされる展開となった。

 ハイプレスが落ち着いてしばらくは、右サイドのトレント・アレクサンダー=アーノルドから低弾道ロングパスが逆サイドのマネに届いたり、ジョーダン・ヘンダーソンからの浮き球でモハメド・サラーが抜け出してカール・ダーロウとの1vs1を迎えたりとリバプールのチャンスが続いたが、得点が奪えないまま時間が過ぎると、次第にニューカッスルの引き分け狙いのペースに付き合ってしまうようになり、前節同様に攻め手を欠いてコーナーキックからしか得点の可能性を感じられなくなった。

 結果としてはそのままスコアレスドローとなってしまったリバプールだが、73分にチアゴ・アルカンタラが復帰したことは今後に向けてとても大きいプラス材料だ。

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