J2“活発”移籍戦線(1)昨年2ケタ得点者ゼロ!!昇格を逃した長崎が獲得「再起を期す大型FW」【J2のミカタ特別編~21年「J1昇格」への選手補強査定<4>】の画像
セレッソ大阪から加入した都倉賢    写真:YUTAKA/アフロスポーツ

■「どこからでも取れる」からの方向転換 

 オフの移籍市場から新シーズンを占う「J2のミカタ特別編」では、J2チームの補強を定期的に査定していく。第4回目は昨シーズン3位のV・ファーレン長崎、同6位のジュビロ磐田を取り上げる。どちらも昨シーズンの戦いを受けて、確固たるストライカーの獲得に動いた。

 2020シーズンの長崎は、最終局面で徳島ヴォルティスアビスパ福岡をとらえきれなかった。2位の福岡との勝点差は「4」で、得失点差では上回ったものの、絶対的な得点源の不在が響いた。

 昨シーズンまでチームを指揮した手倉森誠監督は、「誰かひとりではなく、どこからでも点が取れる」方向性を支持していた。実際に総得点はリーグ3位を記録したが、シーズン最終盤の競ったゲームでチームの拠りどころとなる得点源がいなかった。ターンオーバーを積極的に採用していたとはいえ、最多得点者が7点の富樫敬真だったのは、2ケタ得点者がいた徳島、福岡との大きな違いだった。

 このため、オフの移籍市場ではFWを補強している。まずは昨年10月に横浜F・マリノスから期限付き移籍したエジガル・ジュニオを、完全移籍で獲得した。11試合出場で5得点をあげた昨年の実績から考えれば、シーズン2ケタ得点はまず間違いないだろう。

 さらに、セレッソ大阪から都倉賢を迎え入れた。J1、J2で2ケタ得点を5度記録している34歳は、ケガの影響などで不完全燃焼に終わった過去2シーズンからの巻き返しを期す。187センチのサイズを生かしたポストワークは、エジガル・ジュニオ、玉田圭司、富樫のいずれとも相性がいい。

 19年途中から在籍するビクトル・イバルボとの契約については、1月18日時点で更新されたとの発表がない。昨シーズン5得点の畑潤基栃木SCへ期限付き移籍したことを踏まえると、コロンビア代表経験を持つ30歳は残留が濃厚だろうか。

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