「そんなサッカーに未来はない!」(3) メッシの1試合、1ゴールは3億円の画像
2019年のクラブワールドカップを制したリバプール 写真:新華社/アフロ
※第1回はこちらより

欧州スーパーリーグ構想に反対する。絶対に反対する。現代サッカーがかかえる最大の「悪」を具現化するもの、それが欧州スーパーリーグである。FIFAが計画する「24クラブによるクラブワールドカップ」も目的は同じだ。テレビやスポンサーから入ってくる巨額の資金を追いかけるばかりでは、サッカーに未来はない——。

■メッシは1ゴールすれば3億円

 そのバブルに乗って、ビッグクラブは世界中のスター選手をかき集め、さらには「スター候補」の若手に食指を伸ばし、スター軍団づくりを競い合っている。つい最近、2017年にバルセロナリオネル・メッシと締結した4年契約の総額が5億5000万ユーロ(約705億円)だったことが、スペインの新聞によってスクープされた。年額にすると約176億円である。 

 これは、2018/19シーズンのFCポルト(ポルトガル)の年間収益に匹敵する。ちなみに、FCポルトは世界のサッカークラブの「年間収益ランキング」で29位にランクされている。2018/19シーズンにメッシはバルセロナで50の公式戦に出場、51得点を上げてスペイン・リーグ優勝に貢献したが、1試合あたりの報酬、1得点あたりの報酬は、ともに3億円を超えている。

 その一方、スペイン・リーグでは、「ビッグ3」といわれるバルセロナ、レアル・マドリード、アトレチコ・マドリードが1部リーグ全クラブの収益の44%を占め、下位には数十億円の予算で運営しているクラブが並んでいる。Jリーグでは2019年のJ1平均が約50億円、J2平均が約17億円、J3平均が約5億円で、J3のあるクラブは年間の収益が2億400万円。メッシの1試合、1ゴールにも満たない。

 UCLが世界のサッカーファンを魅了している理由は明らかだ。そこに世界最高峰の選手がいて、世界最高峰のサッカーを見せているからだ。だがその背景に「放映権料バブル」の豊富な資金が一部のビッグクラブに流れ込み、スター選手が少数のクラブに集中してしまっているという現実がある。その結果、ファンの目には、世界の多くの国のプロサッカーが色あせたものにしか見えなくなっている。それは、サッカーの未来に有益だろうか。

 そして「欧州スーパーリーグ構想」とは、こうした一部のクラブが、32クラブが「グループステージ」に進出する現在のUCLでは満足できず(「the best」でないチームとの対戦が多い)、ビッグクラブだけの大会にしてビッグクラブ同士の試合数を増やし、さらに大きな「分け前」を取ろうという構想にほかならない。これはビッグクラブのエゴであり、強欲である。格差がさらに広がるのは明白であり、看過することはできない。

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