【J1分析】セレッソ大阪「背番号20」新生・大久保嘉人は「最適の補強」の画像
ゴールを決めたセレッソ大阪の大久保嘉人 写真/原壮史
セレッソ大阪対柏レイソル戦

【明治安田J1リーグ 第1節 セレッソ大阪vs柏レイソル 2021年2月27日 16:00キックオフ】

 2時間前にメンバーが明らかになると誰もが驚いた。「FW 20 大久保嘉人」このスタメンは予想できなかった。レヴィー・クルピ監督にどの若手選手が抜擢されるか、という予想が盛んに行われる一方で、大久保に対しては懐疑的な声もあった。

 J2でシーズン0ゴールの38歳の選手を、若手の育成を進める方針を打ち出したはずのクラブがなぜ獲得する必要があるのか。そういう声があるのは仕方のないことだった。

 そうでなくても、純粋な戦力というよりもセレッソで引退するための移籍なのだろう、と思うファンは少なくなかった。それは自然な受け取り方だった。大久保自身「最後はセレッソ大阪で」という気持ちがあったことを移籍のコメントで残しているだけでなく、昨年末の中村憲剛引退セレモニーでメッセージを送る際には「今年で自分も引退かなって考えていた頃に、ちょうど憲剛さんから電話をもらって」と明かしていた。

 しかし、試合が始まってみれば、大久保は若手の育成に必要な選手で、しかも戦力として数えるべき選手でもあることが明らかになった。

 瀬古歩夢からのロングフィード、松田陸丸橋祐介からのクロス、清武弘嗣からのパス、川崎フロンターレ時代のように、使う側ではなく使われる側でプレーすることによって大久保は輝いていた。

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