J2第2節、見えてきたパワーバランス!(1)新潟と琉球「2連勝」の裏にある「狙いの進化」【戸塚啓のJ2のミカタ】の画像
阿部拓馬(琉球) 写真:YUTAKA/アフロスポーツ

■昇格候補の新潟と長崎が激突!

 2021年のJ2のパワーバランスが、少しずつ見えてきている。

 3月6、7日開催の第2節で、注目されたのはアルビレックス新潟V・ファーレン長崎戦だっただろう。白星スタートを切った両チームは、昇格候補にあげられている。

 試合が動いたのは52分だった。ホームの新潟が左サイドで直接FKを得ると、高木善朗が同サイドに低くて速いボールを蹴り込む。これが相手選手のオウンゴールを招き、先制ゴールとなった。

 リードを奪った新潟だが、57分に窮地に立たされる。プレスバックで守備にまわった2列目左サイドの本間至恩が、この試合2度目の警告を受けてしまう。前半から相手の脅威となっていた背番号10が退場処分となり、ホームチームは10人での戦いを強いられることとなった。

 昨シーズンの新潟は、失点が「55」にのぼった。クリーンシートは全体の約4分の1にあたる11試合にとどまった。守備力の向上が大きなテーマとなっているなかで、この日は粘り強く戦うことができた。試合終了のホイッスルは、1対0の勝利を告げるものだった。

 アルベルト監督は「10人になった直後の10分間は苦しんだ」としながらも、「そのあと立ち位置を5-3-1に変更してからは、落ち着いて守備ができた」と振り返った。プロ2年目で下部組織出身のGK阿部航斗も、「泥臭く戦って守り切れたのは、次にもつながると思う」と話している。

 これで新潟は2連勝とした。就任2年目のアルベルト監督のもとで、確かな歩みを見せている。

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