【J1分析】「J1王者」川崎に挑んだ「J2王者」徳島「勝敗より貴重な45分間」の画像
J1で通用することを示した藤田譲瑠チマ(徳島ヴォルティス) 撮影:原壮史
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【明治安田J1リーグ 第4節 川崎フロンターレvs徳島ヴォルティス 2021年3月10日 19:00キックオフ】


 J2王者としてJ1王者に挑んだ徳島ヴォルティスだったが、開幕戦で横浜F・マリノスでさえもそうなってしまったように、川崎フロンターレをリスペクトしすぎて、試合に入ってしまっていた。何をするにも距離感が悪く、ぎこちないボールの動かし方になってしまい、試合はハーフコートマッチの様相を呈していた。

 徳島のサッカーの特徴の1つとして、局面ごとに個で相手を剥がす、というものがある。リカルド・ロドリゲス監督が去ってもその戦い方は変わっていない。しかし、距離感が悪くなるとその戦い方は成立しなくなってしまう。プレスがかからず、個での打開に失敗した時の即時奪回ができなくなって悪循環に陥るからだ。

 藤田譲瑠チマは試合後「前半の始めの時間帯は、正直なところ相手の名前にもビビってしまい」と正直に語った。結局、前半は地力で上回る川崎に試合を支配され続けているうちに終わってしまった。2失点よりも、確固たるスタイルを持ちながら、それをぶつけられずに45分を終えてしまったことがもったいなかった。Jリーグ最強のチームを相手にどこまで通用するのか、それは今年のJ1を生き抜くためのアップデートのために欠かせないことだった。

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