■言語化した失点場面の課題

 それでも、手倉森監督は失点に対して甘えはない。さらに、その課題も見つけていた。

 1失点目に関しては、「誰かがチャレンジして、田川(亨介)選手がさらしてしまったボールに誰かがいくこともしなければいけない」とし、ドリブルする田川に並走した守備を反省。ディエゴ・オリヴェイラが決めた2失点目に関しては、「シマオ(マテ)のアプローチが、ペナルティエリアの外であれば、もう少し幅を持って体をボールにぶつけるべき」だったと振り返り、ディエゴ・オリヴェイラの速さを認めながらも「寄せられていたら防げた」と悔やんだ。

 手倉森監督が失点場面について具体的にこう話すことは、選手にとっても一つの方向を向けるだろう。そういう意味で、言葉やコミュニケーションの重みを知っているからこそでもある。

 この試合は、11分にマルティノスがイエローカードを提示されて以降、ピッチのあちこちで球際で激しくぶつかる場面が散見された。審判に選手が説明を求めて声を強める場面もあったが、手倉森監督は「ダウン、ダウン」などと最低限の落ち着きを求めただけで、戦う姿勢を落とすことをしなかった。

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