浦和レッズとリカルド・ロドリゲス監督の一週間(2)水曜日はコンサドーレ、日曜日は川崎と-川崎にパスで対抗!の画像
指示を出すリカルド・ロドリゲス監督 撮影:中地拓也

※第1回はこちらから

スペイン人のリカルド・ロドリゲスを監督に迎えて新たなスタートを切った浦和レッズが、対戦相手によってさまざまな顔を見せている。いろいろな組み合わせ、やり方を試しているのだろう。まだ良い時と悪い時の違いが大きいし、完成度の低さから結果には結びついていない。では、そこにはどのような可能性があるのか。代表ウィークに入る前の3試合を取材した――。

■ 容赦のなかったペトロヴィッチ監督の恩返し

 完敗は喫したものの、良い面も見ることのできた横浜FM戦だったが、水曜日に行われた北海道コンサドーレ札幌戦は、浦和としては内容的には見るべきところのまったくない試合だった。

 札幌を率いていたのは、かつて浦和レッズを指揮して超攻撃的なチームを作り上げたミハイロ・ペトロヴィッチ監督だった。同監督は2016年には浦和を率いて勝点74を獲得。プレーオフがあったため、鹿島アントラーズに敗れて準優勝扱いとなってしまったものの、獲得勝点では浦和を首位に導いた名将である。

 ペトロヴィッチ監督は試合前にはステッキをかざしてメインスタンドの浦和サポーターに挨拶を送り、サポーターも盛大な拍手を返していた。また、サンフレッチェ広島時代からの教え子である浦和のDF槙野智章ともハグをかわして旧交を温めるなど、人間的な温かみのあるペトロヴィッチ監督らしい光景が見られた。

 しかし、試合が始まるとペトロヴィッチ監督は容赦がなかった。ミシャの下で4年目を迎える札幌が完成度の高さを見せつけ、90分間ほとんどボールを保持して攻撃を続けたのだ。左右の幅をいっぱいに使った札幌のスピーディーな攻撃に対して、浦和の守備陣は対応が遅れ、また、横浜FM戦と同じように、札幌のプレッシャーによって中盤でボールを奪われる場面も何度かあった。

 さらに、横浜FM戦とは違って、浦和は相手のミスに乗じて単発的な攻撃をしかけるだけで、ほとんどチャンスらしいチャンスを作れなかったのだ。勝点を拾えたのは、GK西川周作の何度かの好セーブと札幌の決定力不足のおかげでしかなかった。

 また、この日は宇賀神ではなく、ボランチもしくはCBが本職の阿部勇樹が右SBに入っていたが、SBとしての守備に追われて攻撃には絡めなくなってしまったし、また、中盤に阿部がいなくなったことによって、ボランチでプレッシャーをかけられて何度もボールを奪われた。9分、27分のピンチは、この日はボランチに入っていた小泉がボールを失ったのが原因となった場面だった。

 もちろん、完成度が低いことも、勝ちきれないことも仕方がないことだ。個人的なミスというのも、サッカーには付き物である。札幌戦で反省すべきは、結局、浦和が自ら主導権を握って何かを仕掛ける場面が一度もなかったことだ。何らかの仕掛けをして、結果として失敗したのなら仕方のないことだ。そこでミスが生じて、カウンターから失点をしたとしても(けっして望ましいことではないが)、それも仕方がないことだ。

 だが、積極的に仕掛けることが何もできずに、ズルズルと試合に負けてしまったのでは将来に何も残らないではないか。

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5