晩春の激論【日本代表】大住良之×後藤健生(4)「五輪代表に感じたのはヘディングの差」「フル代表の守備はすばらしかった」の画像
アルゼンチン戦での久保建英 代表撮影/JMPA
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3月25日に行われたサッカー日本代表の韓国戦、26日のU24の対アルゼンチン戦。フル代表は韓国に3対0で快勝し、五輪代表はアルゼンチンに0対1で敗れた。この2試合で明らかになった「森保ジャパン」の実力と現在地はーー。サッカージャーナリスト・大住良之と後藤健生が、熱い議論を戦わせる!

■あらためて感じたヘディング能力の差

大住「いつも思うんだけど、今日もすごく感じたのはヘディング能力の差がすごく大きくて。それは高く上がったボールを競り合って勝てるかどうかではなくて、適当に来たボールをヘディングで味方にパスがつながる率と言うのは、多分日本が20%で、アルゼンチンが80%くらいだったんじゃないかな」

後藤「25日のフル代表の韓国戦で、日本のディフェンダーは、それをやっていたじゃない」

大住「そう。それは素晴らしかった」

後藤「だから、日本のそのディフェンスが、26日のアルゼンチンU24とやっていたら……。年齢差はあるんだけど」

大住「フル代表は吉田麻也にしろ、冨安健洋にしろ、他の選手もきちっとヘディングをやっていた」

後藤「きちっと味方に落とす、もちろん渡らない時もあるけど、常に渡そうとしていたもんね」

大住「なんとなく頭に当てて、頼むよ、みたいな感じじゃなくてね」

後藤「単に跳ね返すんじゃなくて、競り合っていても、ちゃんとパスをしようと言う意識を感じた」

大住「たとえば自分がヘディングしたボールが、味方に行くか、敵に行くかっていうのは、味方は1人少ないわけだ。だから、相手に行く可能性のほうがわずかに高いんだけど。それはまぁ50何%とか、それぐらい確率。適当にやっていてもね。だけどさ、8割が相手に行っちゃうっていうのは、どういうわけなのかなぁ」

後藤「不利な体勢でやっていたら、相手が勝つに決まってるよ」

大住「そりゃ精一杯なんだろうけど、問題なのは、日本の育成のところでもうちょっとしっかりとやって欲しい部分だよね。インサイドキックでパスしてミスしたら怒られるけど、ヘディングでパスミスをしても怒られないんじゃないかな。それがいけないと思う」

後藤「スローインでミスしても怒られないからね。だから、そういう意味でも昨日の韓国との試合は画期的だったわけ。

 冨安と吉田だけじゃなくて、他の選手もみんな、ちゃんとディフェンスが前につなごうとするんだよ。だからボランチの2人が良いボールを貰えて、前を向いて、前に繋げることができたから、あれだけ攻撃ができた」

大住「そうだね」

後藤「なぜ、それだけしっかりと繋げたかと言うと、前がしっかりと守備をするから。競り合う時にディフェンダーが有利な体勢で競り合えるからつながるわけで。だからそういう意味で、韓国との試合は、本当にそこが完璧にできたんだよね」

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