【プレミア分析】クロップの人心掌握と選手配置の妙!「采配ズバリ」のリバプールがアーセナルに快勝の画像
交代出場ながら2得点のジョタを称えるクロップ監督 写真:ロイター/アフロ

【イングリッシュ・プレミアリーグ アーセナルvsリバプール 2021年4月3日(日本時間28:00キックオフ)】

 アーセナルを相手に、ボール保持率64.2パーセント。なかなかの数字だが、これだけがリバプールの快勝を表すものではない。

 リーグ戦ではホーム6連敗中だが、アウェイでは2連勝。そんな最近の傾向を示すように、乗り込んだエミレーツ・スタジアムで主人のごとく振る舞った。引き気味に守備的な戦いを展開するアーセナルを前に、ボールを動かし続けていた。だが、初シュートを放つまでには、29分を用している。

 ピンチに陥ることはなかったが、前半のチャンスは33分にトレント・アレクサンダー=アーノルドからのクロスをボックス手前にぽっかり空いたスペースで受け、強烈に叩いたジェイムズ・ミルナーのシュートのみ。ペースを完全に握ってはいたが、アーセナルを崩し切れない時間が続いた。

 後半、先に動いたのはアーセナルだった。ダニ・セバジョスに代えて58分、モハメド・エルネニを投入。その直後にエルネニは、ボックス内でボールを持つリバプールGKアリソンに長い距離を走って詰め寄った。その姿は、守備から圧をかけて反撃に移るとの意思表示だったか。

 だが、その上を行ったのがユルゲン・クロップ監督の采配だった。アーセナルがカードを切った3分後、ディオゴ・ジョタを送り出す。リーグ戦ここ2試合続いていた先発から外れたポルトガル代表は、意気込みを示すようにダッシュで3トップの中央へと入っていく。代わって3トップから1列下がったのが、この試合が復帰戦だったロベルト・フィルミーノ。この「背番号9」の配置転換が、鍵となった。

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4