川崎フロンターレの“代表帰り五人男”(2)成果を残した山根視来と田中碧の画像
山根視来(川崎フロンターレ) 代表撮影/JMPA

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Jリーグのピッチに活気が満ちている。5人交代制によるエネルギー量の増大もあるだろう。上位の顔ぶれを見ればわかるように、攻撃サッカーが復権したことも大きいだろう。しかし、それだけではなく、日本代表監督の森保一がもたらした刺激も大きな要因となっているのではないか。3月の代表活動が川崎フロンターレに与えた影響について考察した。

山根視来が見せた大きな成長

 さて、“代表帰り”の5人のパフォーマンスを注目していたが、影響はまさに人それぞれだった。

 最高のプレーを見せたのは山根だった。

 昨年、湘南ベルマーレから移籍した山根は、川崎のプレーにも瞬く間に順応して、右サイドバックとして昨シーズンの優勝に多大な貢献をした。2020年に最も進歩した選手の1人といってもよかろう。昨年のうちに国内組を含めた代表戦が実施されていたなら、当然、山根はその時点で招集されていたに違いない。

 タッチライン際をスルスルと攻撃参加したかと思えば、インサイドハーフの位置に入って、サイドハーフの家長昭博やMFの脇坂や田中碧大島僚太などとパス交換。パスを預けて、ペナルティーエリア内に入り込んでフィニッシュの仕事までするのが山根のプレーだった。

 つまり、韓国戦の先制ゴールなどは、まさに川崎で昨年来見せていたプレーをそのまま日本代表で再現したようなゴールだった。

 山根は昨年からすでにずっと「代表に選ばれて当然」のレベルのプレーを見せていた。だが、大分戦での彼のプレーを見ていると、日本代表を実際に経験し、そこで結果を出したことによって自信を得て、さらに一回り大きく成長したように見えた。

 山根がパスを受ける瞬間に大分の選手が複数でプレッシャーをかけてきた瞬間が何度かあったが、そんな時でもたった一つのフェイントや小さなターンで落ち着いて相手のマークをはずせていた。そして、相手をはずした瞬間にすぐに正確なパスが出せるのは判断のスピードが上がっていたからこそだ。前線の選手の足元に付けるボールの速さや正確性も一段と威力を増したようにも見えた。

 まさに、日本代表に選出されて結果を出したことによって自信と落ち着きが身に付いて、プレーのレベルが一段上がり、「代表選手」の名に相応しいものとなった。「地位が人を作る」という言葉があるが、「代表という地位」が選手を大きく成長させることもあるのだ。

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