FC東京の「優勝」は目標のまま消えるのか(1)指揮官が吐露した「王者との実力差」の画像
多摩川クラシコの敗戦後、肩を落としてサポーターにあいさつするFC東京イレブン 撮影:中地拓也
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■4月11日/J1第9節 FC東京2ー4川崎フロンターレ(味の素)

 FC東京にとって、悪夢のような敗戦だった。

 1万7615人が見守った37回目の「多摩川クラシコ」は、味の素スタジアムに王者・川崎フロンターレを迎えての試合だった。川崎はここまで無敗を継続し、首位を快走。優勝を本気で狙うFC東京としては、「勝ち点3」というミッション以上に、優勝を奪う立場として何がなんでも勝ちたい試合だった。

 しかし、蓋を開けてみればみれば見事なまでの完敗だった。スコアだけ見れば、2点返したことをプラスに捉えることもできるが、それ以上の差を内容で見せつけられ、「優勝」という目標が遠くに見えた。

 そもそも、この試合で長谷川健太監督はいつもとは違ったシステムを用いた。長谷川TOKYOは、通常、4-3-3を用いる。ウイングの速さと力強さを武器に、縦に速いソリッドなサッカーを展開するのが特徴だ。ところがこの試合で用いたのは4-4-2。FC東京がシステムを変更するのは、非常に珍しいことである。

 その意図を、指揮官は試合後に「守備の狙いもありましたけど、どちらかというと、攻撃でイニシアチブを握りたい狙いがありました」と説明したうえで、さらに次のようにも付け加えている。

「(FC東京は川崎とは)がっぷり四つで戦えるほどの力はないと思っていた」

 優勝を本気で狙うチームではあるが、同カテゴリーのチームを相手にこう認識していたということだ。リーグ戦である以上、「勝ち点」を多く積み上げたチームが優勝する。そのため、優勝チームが必ずしも全チームに勝つわけではなく、負け越す場合もある。とはいえ、「優勝を目指す」と公言する以上は、別の言葉で表現してほしかった。

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