お土産店でジョルダーナがカラフルな石で飾られた邪視返しの護符「ミリアムの手」を数個値切り交渉をしている間に、僕はパン屋で、チョコレートを巻きこんで焼いてから砂糖水に漬けた小型のクロワッサン、ルガラーを一つ買った。これもユダヤ教の祝日のためのお菓子で、ニューヨークのユダヤ人コミュニティーは毎年その店から大量に取り寄せているそうだ。

 

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中東全域でお守りとされている邪視よけの護符。イスラーム教徒はファティマの手と呼び、ユダヤ教徒はミリアムの手と呼ぶ
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大好物のチョコ巻きクロワッサンのルガラー。1kg買って帰ろう!

 

 ドライフルーツのお店では、細かくダイス状に刻んだ様々なドライフルーツをミックスしたものが十数種類も並んでいた。赤いのはイチゴ、ラズベリー、ブルーベリーなどのベリーミックス、緑色のはキウイフルーツや青りんご、梨など。オレンジやパイナップルに生姜を混ぜた黄色のものやシナモンなどのスパイスで香りを付けたものもある。これも2年前には見かけなかった新商品だ。早速ベリーミックスを500g買った。


 その隣のスパイス屋ではなんとチョコレートタヒーニ、アンバータヒーニ、コリアンダータヒーニ、スパイシーチリタヒーニ、デーツタヒーニなど、様々な味と色の付いたタヒーニが売られていた。これまた新商品だ! 試食して、さんざん迷ってから緑色のコリアンダータヒーニを一瓶買った。


 中東の食材マーケットと言うと「悠久の歴史を感じるスパイス市場」みたいな印象を持つ方も多いだろうが、日本同様にこうしたしょうもない流行り廃りがあるのだ。日本のタピオカティーと同じように、二年後に再訪したら、チョコレートタヒーニなんて誰も覚えていないかもしれない。僕はこんな人間の営みを知るのが楽しくて仕方ない。

 

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ダイス状のドライフルーツミックスあれこれ。2年前には存在してなかったのに!
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こちらは中東お菓子店の店先。うまそうだけどお腹に重いんだよなあ……
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これも新製品のチョコレートタヒーニ、アンバータヒーニ、コリアンダータヒーニ、スパイシーチリタヒーニ、デーツタヒーニなどなどなど!

 

 僕がドライフルーツを買っている間に、バラクは行きつけのコーヒー豆屋で煎った豆を1kgも買っていた。彼は奥様と2人の子供の四人暮らしで、毎朝6杯分の豆を自分で挽いているのだそうだ。その豆屋の隣は、バラク曰く「マーケット内で一番美味しい」というコーヒースタンド。そこで立ったまま、甘い香りと強烈な苦さのカプチーノをいただいた。