写真・仲程長治 文・シマネコキネマ

 

 シマネコキネマの事務所が那覇の高台に引っ越し、夕方のさんぽエリアが首里界隈になって久しい。この1年は観光客の姿が激減し、かつては大勢の人で賑わっていた首里城公園周辺も、朝夕に行き交うのは地元の方々と見回りの警備員さん、そして、公園を住処にする島猫たちだけになった。

 沖縄が琉球という王国であった時代に政治や文化の中心とて栄えた首里は、琉球独特の風水(フンシー)に基づいてまちづくりが行われた沖縄屈指の「祈り」のエリアでもある。人の消えた首里城公園で、それぞれにテリトリーを持って城跡の四方に住まう島猫たちは、人の世の移り変わりに翻弄され続ける首里城の見守り猫のようだ。

 

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首里城公園のボス的存在であるシロキジ。円鑑池から久慶門前あたりがテリトリー
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円覚寺跡の前でポーズ。食欲が満たされると、門の向こうに静かに消えていく
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タヌキ顔のシャムも首里城公園の住猫。月桃の花の下で優雅に毛づくろい

 

 首里には、干支を守る仏様がまつられた4つの寺院をめぐる「首里十二支巡り」という行事がある。その1つである西来院 だるま寺に祀られているのは卯、戌、亥だが、実際に境内を闊歩しているのは、十二支には入れてもらえなかった猫である。