文/チョン・ウンスク

 

 庶民の生活圏でよく見かけ、映画やドラマにもたびたび登場する輸送用コンテナの話を続けよう。

 

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人気ドラマ『ヴインチェンツォ』に登場したショッピングモール「コモンクラウド」。地下鉄2号線「建大入口」駅西側にあり、カフェやレストラン、ショップなど、構成要素のほとんどがコンテナでできている/写真:ソウル観光財団
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全州の南部市場の雑居ビルの屋上にあるコンテナカフェ

 

■『グエムル 漢江の怪物』に見るコンテナ

 前回話題にしたキム・ユンソク主演映画 『亀、走る』 では、強盗に襲撃されたり、トラックに転がされたりと、さんざんな目に遭うコンテナだが、『グエムル 漢江の怪物』に登場するコンテナも負けずにひどい目に遭っている。

 突如、漢江沿いの親水公園に現れ、行楽客を追い回すグエムル(怪物)。何人かは橋の下のコンテナ(渡り鳥の研究所らしい)の中に逃げ込むが、グエムルに侵入され、多くが餌食になる。なお、このとき間一髪で難を逃れた女性を演じたのが当時30歳くらいの女優ラ・ミランだ。



 この映画の主人公カンドゥ(ソン・ガンホ)一家は、公園でシュポ(酒、飲料水、菓子などを商う売店)を経営している。この店舗もどうやらコンテナを改造したものらしい。店の前面の下半分が引き戸式の冷蔵庫になっていて、客がビールやジュースを取り出せるようになっている

 前面の上部はカウンターになっていて、菓子類が並んでいる。映画の冒頭、菓子の向こうで居眠りをするカンドゥの間抜け面を覚えている人も多いだろう。

 映画の中盤、カンドゥ一家が籠城するコンテナは、再び現れたグエムルに襲われ、ひっくり返されてしまう。

 薄暗いコンテナの中で一家がカップラーメンや海苔巻きを食べる場面も印象的だった。コンテナは庶民(あるいは社会的弱者)が身をひそめる場所として、とても映えるアイテムなのだ。

 

■コンテナ酒場街

 忠清南道の瑞山共用バスターミナルの敷地沿いには、コンテナを店舗代わりにした酒場が連なっている。コンテナは赤と青で塗装されていて、これが連なる光景はなかなかおもしろい。

 

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瑞山共用バスターミナル脇に連なるコンテナ酒場
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これはひとつのコンテナに2つドアがある例

 

 店内は小さなキッチンをカウンターが囲んでいる。7人も座れば満席。ソーシャル・ディスタンスどころではないので、隣席の人とすぐ乾杯となる。コロナが収まったら真っ先に再訪したい。

 

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瑞山のコンテナ酒場の店内
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コンテナ酒場で頼んだエイの蒸し煮と地元のマッコリ