考古学といえば「掘ってるの?」と言われるほど鉄板のイメージ。それが発掘である。これは、宝探しではなく、あくまで調査。いったい何をしているのかといえば、「遺構」と「遺物」を探しているのだ。

 遺構とは建物などの痕跡のことで、遺物とは古いモノのこと。「遺跡を掘る」という表現が使われることもあるが、より正確に言うならば、「遺構や遺物を発見するために●●遺跡を掘っている」となる。

 

 遺跡が発見されるまでの導入は、あまりにもパターンが多いので一元化して説明することはできないが、多いのは工事現場で発見されたり、過去の調査区域に隣接していて遺跡と分かっている(可能性が高い)場所に調査が入るケース。また、最近では少なくなったが学術調査などもある。

 この遺跡の発掘現場を説明するには、現場にいる3種類の人たちを知っておく必要がある。

 

  • 調査員・調査補助員
  • 作業員
  • 専門業者・オペレーター

 

 それぞれを細かく解説すると、すぐにロマンチックが止まりそうなので、極めてざっくりとまとめると、「調査員」は、遺跡の調査全般を取り仕切る現場監督みたいな存在である。特別な資格が必要というわけではないが、大学で考古学専攻して、発掘現場で調査補助員の経験が3年とか以上ないといけない。ともかく現場に関わることで「できません」がない人でないといけない。昨今では資格制にしようとする動きなどもあるが、発掘は経験が重視される世界なので、免許があればできるというわけじゃないのだ。

 いきなり調査員にはなれないので、仮免許的な役割になるのが、調査補助員である。広い意味では調査員の枠に入るが、調査員の助手的なポジションで、遺構検出、測量、写真撮影など、現場に関わるテクニック的なことは全部やる。大学院生とかが担う場合が多い。

 

 調査員と調査補助員は、調査員のほうが立場は上である。ただ、ほかの人から見たら現場を仕切ってまわす人なので、あんまり違いはないように見えるだろう。ただ、補助員には予算や日程の配分といった、発掘の事務的なことは任せられない。

 次に「作業員」は、その名の通り発掘作業をする人だ。整理作業も手伝う。バイトで募集されることもあるし、考古学専攻の大学生が勉強のためにやることもある。遺跡調査が多い地域ではベテランの作業員さんもいるので、学部の考古学専攻生などよりも知識や経験があることもある。

 調査員と補助員のような上下関係は、作業員と調査員の間にはあまりない。調査員と補助員は大学の先輩後輩だったりすることが多いので自然と上下関係もできやすいが、作業員の場合、現場の責任者はもっとフランクだ。

 行政や民間の企業が調査員と作業員を雇っているので、お互いに直接の雇用関係にもなかったりする。また、作業員さんたちはネットワークを持っていることもあって、調査員が「自分のほうが偉いんだ」的な態度を取ろうものなら、その人は総スカンを食らう。現場が回らなくなる。そのため、ベテランの調査員であるほど、作業員を大事にする傾向にある。

 そして「専門業者・オペレーター」は、いろんな発注に応じて部分的に請け負ってくれる、それぞれの専門業者だ。あくまで助っ人的な位置付けで、専属の作業員や調査員とは見えない線引きがある。このような前提で何ブロックかにわけた図面をつくって掘り始めるのだ。

 ちなみに専門業者・オペレーターとして測量士が杭を打ったり、座標なども移動させてくるが、そこまで専門的になると説明が難しい。本気で勉強する人のための専門書が無数に出ているので、そっちを参照して欲しい(本気の人の探究心は、俺には荷が重い!と言って逃げるつもりではない。なにせ、俺は昔、測量会社で働いていたこともあるほどだ……1年で倒産したけど)。

 

高さを測る測量機材「レベル」