午後4時前、再びバスに乗って宿まで戻り、今度はトラムに乗り換えて、市内西部のフログネル地区へ。5時ちょうどに『コロニーハーゲン・フログネル』に到着した。細い路地に低層階建ての古い建物が並び、その隙間が中庭のように奥まった所に『コロニーハーゲン・フログネル』を見つけた。白い壁、黒い窓枠と柱がいかにも北欧デザインの木造2階建てで、広いガラス窓からオレンジ色の灯りが漏れている。入り口で名前を告げると、一階のキッチンカウンター横の2人席に通された。

 メニューは月替りでパンや前菜、魚、肉料理、チーズ、デザートなど全9種類のみ。そこから4品のコース、または、全品のテイスティングメニューを選ぶ。

 ちなみに4品のコースは500NOK(ノルウェー・クローネ)=約6,500円、テイスティングメニューは600NOK=7,800円。そして料理に合わせた5杯のペアリングワインは600NOK=7,800円。もちろんテイスティングメニューとワインを行くでしょう!

 

(左)夕方5時前にコロニーハーゲン・フログネルの看板発見! (右)路地の隙間から奥まった場所にコロニーハーゲン・フログネルがある
店内は暗褐色の木製のテーブル、照明は暗め

 

 一杯目、アルザスのリースリングとともに最初に運ばれてきたのはアミューズの牛タンとホースラディッシュ、そして発酵バターがたっぷりのったサワードゥブレッド。牛タンはハーブとともに煮てから、冷やしてあり、1cmほどの厚切りにしたものが2切れ、そこにホースラディッシュのペーストとカイワレ菜がのっている。サワードゥブレッドに牛タンの冷菜をのせたオープンサンドイッチは北欧料理の定番でもある。

 

(左)アミューズは牛タンの冷菜とホースラディッシュのディップ (右)サワードゥブレッドはホームメイドでフカフカ、その上に発酵バターがたっぷり!

 続いて前菜が二種類。ビーツと山羊のチーズ、トマト、スプラウトのサラダ。そして軽くスモークしたオヒョウのサシミ、ジャガイモのワッフル、サワークリーム、紫玉ねぎのピクルス添え。これは美味い! 泥臭さと甘さが特徴のビーツに、少し酸っぱくて独特の臭みのある山羊のチーズの組み合わせはまさにカウンターパンチのようにお互いの欠点を打ち消し合い、お互いの強い旨味を引き出している! そしてトマトとスプラウト、薄切りのマーブルビーツがシャキシャキの食感と味の逃げ場を足している。

 オヒョウは伝統的には甘酸っぱい酢漬けにするはずだが、ここでは生のまま(メニューには「サシミ」と書かれていた)ほんの少しだけスモークして、酸っぱいピクルスやハーブのディルを添え、すりおろしたじゃがいもをカリカリに焼いたワッフルにのせている。オヒョウはカレイ科の巨大な魚で、日本では回転寿司で回っているエンガワとして一般的。カレイやヒラメ同様に旨味が強いので、刺し身にしてピクルスと合わせて不味いわけがない!

 

(左)ビーツと山羊のチーズ、トマト、スプラウトのサラダ (右)軽くスモークしたオヒョウをカリカリのジャガイモのワッフルにのせて、ピクルスやディルを添えて。伝統的な魚の酢漬けを現代的にアップデートしてる

 

 サヴニエールというフランス西部ロワール川沿いのミネラルの強い白ワインとともに温かい野菜料理が二種類。ローストしたブロッコリーにジャガイモのムースと松の実添え、フライドカリフラワーのホースラディッシュと香菜添えだ。ブロッコリーもカリフラワーは元々、中東や地中海地域の野菜、北欧では比較的新しい食材ではないだろうか。どちらも今ではローカーボダイエットにおいてお米の代用品にされるほど人気が高い。

 フライドカリフラワーはクリスピーな衣にホクホク熱々のカリフラワーが隠れていて、見た目も味も日本の洋食屋で出てくるフライにそっくり。レモンをしぼって、ホースラディッシュの効いたタルタルソースに付けていただくのだから、なんとなくミックスフライ定食を食べている気分になった。